明日もそばにいてのレビュー
登場人物それぞれが事情を抱えながらも、日常を生きてゆくお話。というとなんだか生真面目に見えるのですがそれだけじゃない!そこは作者の力量で読ませるお話です。
doeさんの作品はどれも一見突き放したように見えます。でも根底には、作中の人物の弱さも全部ひっくるめてじっと見つめている真摯な視線を感じられるところが魅力。
このお話も、恋人に裏切られた柏原と、会社の金を使い込んで脅迫されている遠野。柏原を裏切った元恋人春也も、遠野を脅迫する寺岡も、生き生きと描写されています。
なし崩しのように始まった二人の関係、そこに介入する寺岡の存在。物語は春也の相手の交通事故から大きく動き出します。
オフィスラブ、というジャンルでくくるにはもったいない位読み応えのあるドラマでした。