儚くて、美しい
夏といえば爽やか!青色!というものを思い浮かべるでしょうが、こちらはひと味もふた味も違います。 夏の夜の草いきれ、まったりとした暑さを掻き混ぜるうちわ。 彼の為を思って冷たく冷やしてあるだろう瓜に、二人だけではなく、それを取り巻く人々の愛さえ感じます。 兄弟愛などでは言い表せないほどの精神での繋がりを感じ、であるが故の儚さに、胸がずしりと重くなります。 背徳感すら覆い隠すほどの、切ないけれど美しく儚いお話、そして死へ向かう者へのひたむきな慈愛。夏の茹だる暑さの中で一際異彩を放ち、惹きつけられました。 暑さをほんのり冷やしていただきました。ありがとうございます。