現実と創作世界の境界線を感じる物語
深く考えさせられながらも萌える作品だったので、レビュー失礼します!
まず冒頭。
主人公の匠さんは、子供を残してお嫁さんが出ていってしまうという、悲しくも現実でもあるかもしれない状況に陥ったことから始まります。
それを説明ではなく描写で伝える服部さんの文章力で、作品への読むというスイッチを入れられました(バッチンッ!)
男手一つで幼い娘を育てるという困難。
それをサポートしてくれたのは、お嫁さんの弟である千景くん。
姉に匠さんと子供を託された千景くんは、姉の代わりにママをすることに!
悲しい始まりと今後を思うと切なくなる物語が、彼の明るさと前向きさによって見事な独特のコメディを感じて、読みながらふと笑ってしまいました(ホッコリ)
そんな生活の中。
娘の朱里ちゃんに発達障害の疑いが出て、事態はまたも切ない世界へ。
これもまた現実でもありえることで、私にとって身近なことでもあり、とても深く感情移入してしまいました。
グレーゾーンの境界線。
千景くんにとっても、自分の立ち位置は境界線だということ。
二つの境界線でハッピーエンドを迎えたことが、尊くて震えました(号泣)
この先三人の世界が出来るだけ多くの幸せに出会えますよう、祈る一読者です。
素敵な作品をありがとうございました!
木樫