ジレンマ〜〜
人を愛したいけど、相手を傷つけてしまう。人を愛したいけど、自分が傷ついてしまう……ジレンマがやっぱり美しいなと思いますた。 今作はその二律背反が鮮明に描かれていて読みやすかったです。 主人公の「好き」という気持ちは確かに本物なんだけど、体質のせいで心の底から本当にそれを望むことができない切なさが雪の儚さと相まってにいい日和でした。 主人公の心情や取り巻く人物の流れ環境を鑑みれば、内面を旅する情緒の深さが非常に文学的だとかんじました。一方で、その心情の描き方を融解体質というならではの要素で表している点がまさに現代的であり、同時に幻想的だとも思いました。 普段のピノ★樫先生の作品とは少し違う趣を感じました。 これからこの二人がどういう関わり方をするのか、気になりました。 よくまとまっていて、読み応えのある作品でした。