【歪な愛でかまわないんだ】のレビュー
出会っては運命に引き裂かれるのを繰り返し、なかなか進展しない両片思い! キラキラしていた純真無垢な子ども時代から、性癖を自覚する大人になるまで、成長とともに興味の対象や悩みの内容、性的要素の付加など年齢に応じた描写がなされていて、二人が長い人生のどの位置にいるのかを感じながら、また自分にもその時期があったと思い出しながら読むことができました。 このままハピエンで終わるのかと思いきや、作者はそう簡単には許してくれず、もうひとひねり、もうひとひねりとエピソードが加えられて、読者は雑巾のように絞られます。ぎゅうぎゅう。 そしてようやく、今度こそハピエン! と読み終えて、なるほどとタイトルの意味を理解し、住まいや部屋に飾られたとあるものを見て、真のヤバい奴が誰なのかを思い知ります。ひっ、ひえええええ。 もう一滴の水も出ないところまで作者に翻弄され、搾り取られているのに、「あー面白かった」と感想が口をついて出る作品でした!