雪が溶ける音がした
伝えたいことが多すぎるのですが、まず言いたいのは心情描写、背景描写が秀逸という点です。積もった雪がまっさらで美しい様、足で踏みしめた時の音を表現する引き出しの多さ、文章を読んでいるだけで空気や雪の冷たさが肌に伝わりました。まさに雪コンに相応しいお話です。 ルカくんとレオくんの純愛物語、美しかったです。ルカくんの声が出ない理由、特に詳しく説明したわけでもないのになんとなく伝わりました。巧いです。 起承転結の流れがスムーズで、物語の鍵となる部分は丁寧に描写されていて、後半になっても忘れる事はなかったです。この絶妙な采配のお陰でこの物語を最後まで余すことなく楽しめました。 ルカくんに感情移入していた私としましては、例の場所でのシーンはどの部分も大好きです。(読めばわかります) キャラクターそれぞれに違った魅力があり、みんな人間らしい部分を持ち合わせていて、私はみんな好きだなと思いました。 このお話は是非その眼で読んでほしい。なので濃度の高い感想はあえて書きません。いかに美しく素敵な作品だったか、それが少しでも伝われば幸いです。読んでください。是非。