不滅の恋のレビュー
まず、ダフネがあまりにも人間らしいアンドロイドであることに驚かされる。 これまでのアンドロイドのイメージは「感情や芸術は人間の模倣に過ぎない」と過小評価されてきた。しかし、昨今のロボット工学(AI技術)では、より人間らしいプロセスで感情の起伏や芸術作品を生み出すことも可能である。だからこそ、この設定には説得力がある。 SFとしても良質であり、恋愛小説としても素晴らしい。アンドロイドを扱う作品では、人間との寿命の差は無視できないテーマである。それを温かく優しいラストで締めくっており、作者の人柄が見えた。 可能な限り最高のハッピーエンドではないだろうか。 「恋」「感情」「人格」「永遠」という概念を改めて考えさせてくれる作品である。