初恋は実らないとは言うけれど
“偽りの自分を作って気の合わない他人と過ごすくらいなら、独りでのんびり過ごした方が心地いいのかも” “親しみと馴れ馴れしさの境界線って難しい” 学生時代を過ごした方には少なからずこういった気持ちをお持ちだった方がいらっしゃるかもしれません。 あるいは今も。 人との距離感が掴めない高校生の心情と恋愛を瑞々しい筆致で描かれるこの作品。 千歳との出会いによって、創は人と触れ合うことの充足感や不安、後悔を経験します。 縺れてしまった糸をゆっくりとほどくように進む物語。 初恋は実らないというけれど、この二人は例外だったようです。 是非お勧めします。