触手を飼うのレビュー
まさみ 様
『3万字までジャンルを問わずレビューをさせていただきます』からきました!
まずは企画へご応募頂きありがとうございます。
そして素敵な作品とその作者様との出会いに感謝致します。
冒頭からの掴みが上手い。読み進めるうちに、読者自身が自分の日常と重なる風景にクスリとさせられるのではないかと思う。かくいう筆者がそれだ。なんといっても奇想天外な展開が待ち受けているというのに、随所に笑いを起こさせる。作者様はおちゃめな一面があるのでは?と思うように、じつにユーモアなセンスが光っている。
さて物語だが、全長50センチほどのニョロニョロとしたピンク色の触手と出会ったことから、非日常へと展開していく。触手ときたら・・・と想像の域のできごとがあり、勿論この作品も読者の期待に応えてくれている。最後に友人に救出され、彼との関係が変化していくのだが、筆者としては触手を犬猫のように拾ってきたことで主人公の生活や心情が変化していく、その過程が好きだ。作者様は大変心情的、背景的描写が上手く物語にのめりこませてくれる。是非堪能していただきたい作品だ。