歪なTriangle―がんじがらめの恋―のレビュー
相沢蒼依 様
『3万字までジャンルを問わずレビューをさせていただきます』からきました!
まずは企画へご応募頂きありがとうございます。
そして素敵な作品とその作者様との出会いに感謝致します。
2人の兄弟攻めと弟の同級生である可愛い受けとの歪んだ三角関係、タイトルどおり『歪なTriangle』模様が繰り広げられるのですが、心情描写、背景描写などが巧みで物語に没入させてくれます。兄弟2人の片思いというにはかなり情愛が深すぎて、もはや愛執というべきか。けれど決して受けを哀しませたり傷つけたりはしない。大切に扱うのですが、こと受けを好きすぎることから行為がエスカレートしていく。拒む受けを快楽で堕とそうと目論み、ついに実行する。兄弟が用意周到で、しかも本来ライバルであるべき2人が絶妙なタッグ組むあたり、受け側に思考を傾ければ不憫になり、兄弟側に傾ければ笑いを誘う。幼じみの3人の心理描写がどれもおいてけぼりになってないのがいい。また理性では拒んでいる受けが、行為中に気持ち良さそうになるところも見応えがあっていい。全体的にバランスがよく、とくに会話文が軽快だ。