華麗なるハリンストン兄弟の偏愛のレビュー
アイザックの隣を歩くリジャスが、周囲を睨みつけるように歩く描写からして、すでにただならぬ気配が漂っていて引き込まれました。 文章全体のテンポも心地よく、するすると読み進められる読みやすさも魅力です。冒頭わずか2ページ目にして、二人に血のつながりがないという事実が明かされる展開には、思わず「来た!」と頭を抱えたくなりました。そして「兄さんを支えることが、僕のやりたいことだよ」という一言に、すでに執着の片鱗が滲み出ているのが見事です。 世界観の作り込みも丁寧で、世界観・舞台設定の説明も無理なく頭に入ってくる読みやすさがありました。馬車という密室が、まさか緊張感のある舞台になるとは思いもよらず、驚かされました&すごくそれも良かった♡ そして物語の最後に冒頭のシーンをなぞるような構成でありながら、そこに映る二人の関係性がまるで違ったものになっている――その対比の描き方が実に秀逸で、読み終えたあとも余韻に浸ってしまう一作でした。読ませていただき、感謝いたします。