「シリアス……でも、笑える」そしてキャラメル箱に紐をかけたくなる
続編ながら前編の全40話を未読でも、最初の数話ですっと二人の夫婦ぶりや、彼らを取り巻く人々の可笑しさに興味が湧くんだろうなと思いました。 私は前編から読んでいて先生が背負っていたものを知っているだけに、続編の二人の楽し気な日々に嬉しさを覚えました。御飯を食べようとした先生が座布団ごと外へ運搬されてしまったり、新居で蜜月なのに何かとすぐに銀杏家の兄達や門人で溢れたり(笑) 読んでいて何度も笑い転げました。 ただ前編に比べて、お菓子の登場が控えめになっていたのが残念です……と言いつつも、代わりに魅力的な舞台場面が多かったので、読んでいる間はお菓子の事は忘れていました(笑) たまたま榎田ユウリ著『カブキブ』で菅原伝授手習鑑の概要を知っていたので、白帆の役者としての姿勢に共感しました。 前編の締め括りで挿入されていた“銀杏白帆といふ役者”という文言は、二人の間へ割り込もうとしていた新聞社の人間の手によるものだったので 続編では一体どういった形でこの作品表題が関わってくるのかな?と楽しみでした……まさかこの文言で泣かされてしまう事になるなんて……。 最終話は、わたし的にはハッピーエンドと受け止めています。40年間ほど時間がぶっ飛んでの展開に正し直「勿体ない!!」と嘆いたのですが、今後番外編をご予定されているとの事なので、昭和日常編を正座して待っています! 個人的に前編と続編を通して、真面目すぎて性癖が逸脱してる日比さんが愛しいので、森多のスケベジジィを蹴とばしてくれたのには胸がすっきりしました。惚れなおしたぁ(笑) 日比さんの白帆への変わらぬ愛情に嫉妬してしまう自分が怖い。 前編をまだお読みでない方には是非1話から入り、続編のキャラメルの意味に涙して欲しいなぁ!と思います。