音楽家兄弟の美しい旋律の馴れ初めは、不協和音からの始まりだったのですね
弟君てば一方的に舞い上がった癖にお兄ちゃんを傷つけ、ビリビリしてはまたお兄ちゃんを傷つけ、会えなくなると焦った末にはお兄ちゃんを……と、まるきり恋愛感情と相手への思いやりがともわないコドモさん。
話が進むごとに「コイツ嫌な奴だな」と嫌悪感が増すばかりだったので
お兄ちゃんにドン引きされた末にフラれて、そのショックで大学も行けなくなって猛反省した末に作った曲を後生大事に口すさんで生きていけばいいのさ!と願っておりました。
なのに、フタを開ければ私も弟君もお兄ちゃんの包容力に包まれてしまいました(笑)
喘ぐお兄ちゃんが色気ありすぎなので、ヨーロッパへ帰すのは心配だろうなぁ。弟君はこれからは嫉妬心を持て余してビリビリしてそう。
でも、きっとお兄ちゃんの懐の方が大きいんだろうなぁ。
短編だった為か、弟君の態度が目立ったせいか、背徳感の重さや、年の差の面白みは潜んだままなような印象でした。
小学生と大学生くらいの差がある弟に対して、お兄ちゃんがどう揺れていたのかを知りたいです。
個人的に気になったのは、6歳くらいなら顔は覚えてなくても、自分にお兄ちゃんがいる事くらいは認識してるんじゃないのかなぁと思いました。
親があえて隠してたという事情も無さそうだったので、弟君があえて記憶を封印して忘れたのかな?とも考えましたが、そうでもなさそうだったので。
読み切りでしたがこれからの弟君の葛藤が興味深い、そして何よりも襲われてるお兄ちゃんの色気が半端ない作品でした。