長い道のりの果てにたどり着く静かな場所
主人公伊織くんの成長を見守る物語であり、彼を取り巻く周りの人たちの心情にも泣かされるお話でした。 なかなか心を開かない伊織くんがもどかしくて苦しくなるくらい密なストーリーです!そして、長い道のりのなかでほんっとーに少しずつ変わってゆく様子が繊細に書かれていて、心がずきずきします。 色々な経験をし(させられ)る総受け主人公の伊織くんですが自分の感情をどこかに置きざりにしているようで、誰に何されててもエロいけど悲しい。 なぜか彼に惹かれる人たちが彼を傷つけてしまうところは、伊織くんがそれぞれの人の苦しみや罪を背負う形代になっているようでした。 静かで穏やかなラストまでずっと心を掴まれる素敵なお話でした。