現代日本が舞台、退魔師を生業とする東雲家の若き当主と美しき守護者との邂逅
主人公が依頼人と出会うところからお話は始まり、クライマックスでは山神をとりこみ氏神を弱らせている“魔”を退治する。その当主としての一連の務めを通して、主人公の“漆黒”に似合う恰好良さ、相方である柊連との連携にわくわくしました。短編なのでバトルシーンを中心に盛り上り、退治とともに終結するのかと思ったのですが、終盤には二人の“浄化の儀式”があり、もう一つ別の意味での「盛り上がり」を味わえました。依頼をこなすたびに二人はこんなことをやっているのか、しかもねちっこいパターンもあるのかと妄想をかきたてられました。興奮冷めやらぬ展開の末には、柊連が主人公の刀として振る舞う理由がわかり、務めと浄化の繰り返しを見届けたくなってしまいました。