詩的な表現に魅力的な登場人物
魅力的な登場人物と詩のように流れる表現が美しい作者様ですが、素敵なお話でした。とくに、モチーフになっている月に関し、「月が重い」なんて表現は文学的で好きです。 平安時代が舞台の作品ですが、ベースがきちんとされているので、お話に無理がなく、流れるようにストーリーが展開されていきます。それが安定的で読んでいて、心地よい。目の前に大きな月があって、その光に照らされる二人か目の前に浮かぶようです。 わたしの個人的なおすすめは、こちらの主要登場人物のお二人の深みがありながらも安定感のある関係性なのですが、懐の深い攻め様にもたれかかる受け君…そんな関係性に、読み手側も安堵します。この二人の深い愛情に幸せを願わずにはいられません。