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第5話

付き合っとる? 付き合っとるからキスぐらい言うた?今。 「あ、あの〜、瞬くん、言うてる意味がよぉ分からんのやけど……お、俺とは?」 「え?修介とも付きおうてるよ」 「へっ?」 またしても度肝を抜かれてしまった。 これって世間的には俗に言う…… 「それって、二股いう事か……?」 「え?ちげーよ。だってもう一人いるし」 俺は悶絶しながら両手で頭を抱えた。 先程から目の前の人は何を言ってるのか。 頭が悪いから理解出来ないだけなのか。 使えない脳みそをフル回転させながら、俺は瞬くんの二の腕をガシッと両手で掴んだ。 「……俺はっ!何番?!」 ようやく出てきた言葉がこれかと、自分でも情けなくなってしまった。 瞬くんはかっこよくてモテモテなんだから、恋人だっていっぱいいて当たり前。 そんな馬鹿みたいな事を何故か必死に自分に言い聞かせた。 瞬くんは目を丸めた後に吹き出すと、余裕の表情で俺に問いかけた。 「何番って、好きなのが?」 俺はコクコクと何度も頷いた。 瞬くんはうーんと口を噤みながら、左斜め上に視線を向けた。 きっと彼の中で今三人を天秤に掛けている。 大丈夫。きっと俺が一番だ。 だって、告白した時のあの嬉しそうな顔。 俺もずっと好きだったって言ってくれた。 帰り道に手を繋いでくれた。 修介は人懐っこくて柔らかくて犬みてぇだなーって、頭を撫でてくれた事だってある。 俺が一番好きだよって言われたら、俺だけにしてって言ってみよう。 もしかしたら瞬くんだって困ってるのかもしれない。他の奴にしつこく付きまとわれて、仕方なく付き合ってあげてるのかもしれないし。 だから夏休み中、連絡取れなかったのかも。 これからは、ちゃんと瞬くんの話を聞いてあげよう。 「うーん……」 瞬くんはニンマリしながら俺と視線を合わせてこう言った。 「修介は顔可愛くて好きやけど……二番かな。エッチは三番。だってあんなんで痛がってんの、修介だけやで?」

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