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第152話
「え、エッチは、しとらんけど……」
「ふぅん。あの人、ちゃんと分かってんのかね、男同士でどうやるのか」
今度は晴人がいきなりとんでもない事を言い出すから、またチラッと女の子の方を向いたけど、今度は聞こえてなかったのか見向きもしなかったからホッとした。
「だからっ、なんでそういう話ばっかりになるんよっ。まだ付き合って10日も経ってないんやで?」
「え?だって、付き合うってする事なんて一つでしょ?修介だって早くそういう事したくてウズウズしてるんでしょ?」
「しっ、しとらんしっ!」
なんとなく誤魔化して、その場は乗り切った。
秀明の言うように、実は最近の俺は、そればっかり考えている。
キスはしたから、きっと景もその後の事は嫌でも頭に浮かぶはずだ。
景も俺の事が好きなんだったら、今以上の関係になってもいいって思ってくれているはずだと思いたいけど、実際にはどう思っているのかは分からない。
景だったら、流石に男同士でどうやるのかなんて知っていると思うけど。
景とは、明後日会う事になっている。
何度も車でこっちに来てもらっているし、次の日は朝から用事があると言っていたから、俺の家に来てもらうのはまたの機会にする事にした。
初めて景と一緒に食事をした、梅の木がある都内の和食屋でまた会う事になった。
出来る事なら一日一緒にいたいけど、俺も大学で用事があり、夕方からしか会えなくて残念。
けど、楽しみ。
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