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第1話

少年が大人に変わる。それは一方通行。 思春期の3年差は数字で考えるより大きいものだ。 たった3年の差が互いに少年だった二人を大人と子供に分断した。 幼馴染のような、しかしそれほど年も近くない仲のいい少年をいつからか僕は汚れた目で見てしまっていた。 真っ白なキャンパスを汚れた手で触ることを恐れる。 彼が訪れる前日にはゴミを移動させエロ本を隠しスマホとパソコンの履歴を消して換気をする。 それでも無知な彼が僕の汚れた手で触れたゲームのコントローラに触れるのになんとなく罪悪感を抱いてしまう。 この手はもう汚れてしまっているから彼に触れたくなかった。それでも恨むべきは環境か遺伝子か、自分の生き物の部分が彼に触れて欲しいと思っていた。 周りに子供が少なく閉鎖的な田舎で、家族同士仲がいい二人はただの友達だった。 ひまわりの黄色と草の緑と入道雲の白が目をくらませる夏の昼。アブラゼミがうるさい季節。 僕たちが狂ったのはエアコンが無かったからだろうか。 夏休み、暇になると彼がやってくる。 何しろ家が近くてゲームが豊富にある。 久しぶりにあった彼は少し男らしくなっていた。 格闘ゲームに夢中になっている彼の横顔をジッと見てみれば、この前よりも少し毛が濃くなっていた。 眉だけではなく目の横や鼻の下の産毛が少し濃くなっていた。それでも彼がそれらを気にしていないのか処理していないのがまだ幼いと感じさせる。 古い扇風機しかない部屋で汗が髪をまとめ、張り付いた首のしっかりした様子に喉を鳴らす。 確実に一人前の男になろうとしているのに本人は気づいていない。 いつも通り彼にこの下劣な感情を隠しつつ、それでも目で男らしい部分を探してしまう浅ましさに嫌気がさす。それでも僕だけが汚れていて彼は純白のままだと思い込んでいた。いや、そういうことにしておきたかった。 たった一言で僕らの関係は 良くないもの に成り果てた。それは蝉の声をかき消すほどの衝撃で、夏の暑さも寒く感じるほど信じたくないものだった。 「男でも乳首勃つって本当?」 彼の成長を確信した瞬間。 それでいてまだ手を汚してはいない灰色の状態。 興味はあるが知識はない。そういうことに興味を持つお年頃、自分だって通った。 暑さで頭がおかしくなったのか、彼は僕を押し倒して服の中に手を入れようとする。 跳ね除けようとすればまだできたのかもしれない。 そうしなかったのは僕自身も頭がおかしかったのか開発しきった体が言うことを聞かなかったのか、不思議と触れられることを受け入れてしまった。 気持ちいいことに貪欲で若さと時間を持て余した僕は、自分自身を開発し、ついには他人に触れられたいと願う変態だ。それも人を買うことに慣れた大人じゃなくて、ウブでそれでいて持て余した欲をストレートにぶつけてくる若さに触れられたいと思っていたからますます真性の変態だ。 それがここで僕の理性を崩した。 読んでいた漫画は手から離れベッドの隙間に落ちていった。うつ伏せの姿勢で腰に乗られその圧迫感に僕は支配された。夜な夜な一人で開発してきたからその快感に期待が高まる。夏のパリッとした薄着が摩擦を生みゾワゾワとした刺激を生み出す。 彼の指は容赦なく乳首勃たせるために胸を引っ掻く。 自分じゃやらないような乱暴な動きに飲まれそうになる。 先端をカリカリひっかかれるとたまらなく気持ちよくて声が出ないように胸を引っ込める。 まだ柔らかい状態で押し込んだりクリクリと挟んだりすると思考が奪われそうになる。 読めない動きに腹の底がキュウと切なくなる。 自分じゃ身動き取れない状況で相手に好き勝手されてるのにひどく興奮した。 (声...出したら引かれるよね....) いっそ相手がその気で襲っているなら楽なのに。 馬乗りになって体を密着させるものだから肺が圧迫され酸欠になりそうだ。ハッハッと短い息に甘い快楽を逃しているのがバレないか心配になった。 しつこく乳首を弄られればいやでも勃つものだ。 変に鋭い彼が時々怖くなる。 「にいちゃん乳首でかいね」 確かにいじってるから多少大きくなってるかもしれない。素直な感想だろうが一瞬ドキッとさせられる。 「もういいだろ...?男でも乳首は勃つの。 思いしそろそろどいてよ」 彼の体重がなくなり体を起こすと自身が緩くたちあがっていた。 (どうか気づかれませんように) そんな願いも虚しくあっさりと指摘されてしまう。 「にいちゃん、もしかして気持ちよかったりする?」 「よくない!」 「でも勃ってるよ」 「これは...うつ伏せだったから」 「にいちゃんずっとビクビクしてたし、耳も赤いよ」 「エアコンがないからしょーがないだろ暑いんだよ」 自分でもいいわけが苦しいと思う。それでもこんな情けないところ見られて恥ずかしいのには変わりない。 できれば今すぐにでも逃げ出したいが手首を掴まれて離れられない。 手首を掴む少年の手は女性のものとは違いかさついていて深爪が目立っていた。 「気持ちよくないならもっと触ってもいいでしょ?」 「よくない」 そう言いながらも他人に触れられる快感を求めて強く押し返せない自分がいた。 仰向けのまま服とシャツの間に手を突っ込まれる。 乳首だけでイけないから余計にもどかしい。 終わりなく延々と与えられる刺激に我慢がきかなくなりそうだ。 「.......ハッ......ッ..........」 終わりが見えない いっそイけたら楽なのに。きっと今顔真っ赤だ。 今は夕方でよかった。夕焼けの赤が頬の赤を隠してくれる。 窓から差す光が少年の顔を隠し、黒と橙の世界に溺れる。白いシーツも透明のグラスも手をつけていない宿題もみんなオレンジに染まる。僕の頭さえ染められてしまいそうなくらいだ。 僕の上に乗る彼の黒くてよく見えない。 短い吐息と湿った肌が一層敏感に感じられる。 グラスの氷はとっくに溶けている。ぼくの頭だって溶けそうだ。もうとっくに限界なのに互いに引き時がわからなくて変な雰囲気になっている。 「ねぇ...もうやめよ...」 「なんで」 あぁ...この子はいつも負けず嫌いでしつこくて勝つまで何度も挑戦する子だったなぁ 「その.....僕まだ胸じゃイけないし....」 何言ってるんだろうな自分。彼、どれくらい性知識あるか検討もつかないのに。後悔先に立たずだな。 「???イクってちんこだけだと思ってた」 あぁ、彼を汚してしまった。そんなこと知らなくていい。忘れてくれ。彼の純潔を宗教的に望んでいた。 それでも彼は思った以上に大人なようで、こっそりチラッと見た彼の股間はテントを張っていた。 一体僕の何で....。 そして僕はまた血迷ったことを口走る。 「それ、どうするの。」 今度は僕がやり返す番だ。 いいんだ僕は変態だ。未成熟のモノを触ってみたい。 これはチャンスだ。成長期の少年のモノなんて滅多に触れられないんだ。 細くて肉の薄い太ももに触れ、いくらか肉の乗った内腿に触れ、骨盤の主張する鼠蹊部に触れそして中心を撫で上げる。 「人に触られると気持ちいいでしょう?」 「僕も同じ。さっきのとっても良かった」 「一緒にしよ?」 彼の恐るような不安がった顔がたまらない。 夏のパリパリした白いシーツの上に彼と僕で二人だけ。沈みかけの太陽が真っ白な入道雲を赤で塗りつぶすように彼の純白を肉欲で汚す。体内の血の赤が血管を広げ指先と雄の色を変える。 ジジ...とズボンのジッパーを下ろし取り出す。 兜合わせで二人のものを握りこむ。 黙り込むと蝉の鳴き声とボロの扇風機の音に紛れて二人の吐息が聞こえる。汗の匂いと暑さで気化した男の脂の匂いがする。獣らしい男らしい匂いにクラクラする。 ........ 足腰が立たなくなるまで出した。喉が渇いて頭が痛くなった。一発出せば皆賢者だと思っていたが、若さとは恐ろしいものですぐに復活した。互いに他人に触れられるのは初めてだったので貪るように手を動かした。攻守交代もなんどもした。性の興味と実践と快感を一気に脳に叩き込んで疲れた二人は夜ご飯に起こされるまでドロドロのまま布団と同化するように眠った。 忘れられない快楽と少しの後悔が何度も脳を支配して、少し今までと違う関係に踏み出し始めていた。 他人に触れられるのを忘れられたならこんなことにはならなかったのに。 (続く)

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