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第216話※(sideアゼル)

 ちゅ、ぢゅる。 「ッんぁ、ぁあ、はぁっ」  何度も離してすぐにもう一度キスをして、俺のと混ざり合って血の味のする唾液を、舌ごと吸って飲み込んだ。  嬉しい。  強く、綺麗で、儚いこの男が、俺を愛して散々に変わっていく。  あぁ、チクショウ、嬉しすぎる。  脆く壊れやすいガラスのような美しい心を、俺の愛で内側から砕いてやりたい。  胸の高鳴りが抑えられず、俺は半端に脱いで下衣を引っ掛けたままのシャルの足を抱え上げ、より深くまで繋がりを求めて激しく犯す。  柔らかな肉はそれに応えるように、熱くねっとりと絡みついた。  本人がグズグズに蕩けていても相変わらず抜群に収縮を繰り返して、どこまでも奥へ受け入れる。 「んあ、ひ、ぃッは……ンんっん、ぁッ」 「コラ……エロ声、我慢しろ。指しゃぶってていいから、な?」  喘ぎ声と混ざり呼吸が辛そうで唇を離すと、銀の糸が俺との間にツゥ、と引かれプツと切れた。  途端に焦点のあっていない瞳が揺れ、ガクガクと揺さぶられるシャルが声を漏らす。  熟れた口内に指を突っ込んでやると、熱に浮かされた表情でそれに吸い付くシャル。 「っく、可愛い、俺のシャル、可愛い」 「んぅ……ん、んぁ……ふっ、ン……、」  その顔が垂涎の色気を含んでいて、俺の胸は愛おしさに絞られ鼓動を早める。  もっと見たくなったので抽挿を緩やかにし、淡々とした突き上げに変化させてやると、シャルは赤い頬を緩めてへらりと笑った。  ズル、と片腕でシャルの腰を引き寄せて、上着の上に寝かせる。  俺の指を美味そうにしゃぶる顔を見ながら、何度も襞を擦ってキツイ締め付けを楽しむ。  こんなところで俺に抱かれているのに、シャルはとても幸せそうに笑って触れてくる。  俺を愛していると、表情も空気も全部で語りかけてくる。  俺を心底から、本当に揺るぎなく愛してくれる人。  それを感じるだけで、俺は気持ちよすぎて達しそうになった。  緩やかな動きを徐々に早め、欲を発散させようと赴くままに肌をぶつける。 「あッ、ぁ、ん、ンッ、あぜ、ぅ……っ、」 「ん……っ?」 「ぅあ、なか、ッ……に、だひ、へ……おぇの、あ、ぁぁ、っ!」 「ッ、く……!」  ──ドクンッ。  限界が近い時にシャルが切なく眉を寄せて欲しがるから、俺はカッとのぼせ上がって根本まで深く埋め込み、望みどおりに注ぎ込んだ。  クソ……、嬉しそうにしやがって。  ドクドクと吐き出す下半身の熱が、そのまま最後の一滴まで絞る粘膜と溶け合うような快感に、喉を唸らせ睨みつける。  コイツはどれだけ俺を煽るのが上手くなるつもりなのか、先が思いやられてしまう。  じゅる、と隙間から溢れる唾液を舐めさせ、口内から指をゆっくりと引き抜いた。  息を吐いて射精の余韻に浸っていると、またイッていたのか息も絶え絶えに痙攣する体。  毒にやられたシャルは自分の精液で汚れた腹をなでて、やっぱり幸せそうにへらりと蕩ける。 「ひとりじめ……」

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