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君と眠る夜の幸せ
オールバックに固めていた前髪をくしゃくしゃと下ろす。
コンタクトを外し、曲がったメタルフレームの眼鏡をかけたら、いつもの冴えない俺だ。
熱いシャワーを浴びて簡単に風呂を済ませると、恋人の眠るベッドに潜り込む。
ベッドの中は温かく、恋人の匂いがした。
接待や残業で帰りが遅いため、もう随分と恋人の淳也に触れていない。
起こさないように寝間着代わりのTシャツの中に手を潜り込ませる。
相変わらずの割れた腹筋は手のひらに不思議な手触りを与えてくれる。
セックスがしたいわけではないが、とにかく目の前で眠る恋人に触れたかった。
ジャージの中に手を忍ばせ、パンツの中のおしりに触れる。
『冷たい……』
ひんやりとした感触と、眠っているため、力の抜けた彼のおしりは普段の筋肉質な印象よりもとても柔らかだ。
その触り心地がとても良くて、優しく揉み続けていると冷たかった彼のおしりは、俺の手の体温が伝わり温かくなってきた。
「……ヘンタイ」
「悪い、起こしたか?」
「平気。それよりおかえり、遅かったね」
「淳也不足で死にそうだ」
「お互い様だろ。てか、お前、髪の毛まだ湿ってるぞ。ちゃんと乾かさないと」
「もう少し、充電してから……」
触れるだけでいとおしい。「そんなこと言ってたら寝るぞ」と聞こえた気もするが、幸福感と充実感に包まれて俺は眠りについた。
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