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愛しさの先にあるもの8※

「なかなか敏感だな。躾のいい身体だ。どうだ?小僧。そんなもので嬲られて感じる気分は」 「……小僧じゃ、ない。和臣って名前がある」 「口の減らないガキだ」 さっきのお返しに加賀見は楽しげに笑って、黒服に目で合図した。 「両手をあげて頭の上に乗せろ」 男の言葉に和臣はふんっと鼻を鳴らして、しぶしぶ両手を頭の後ろにあてた。 黒服はナイフを右の乳首の下にあてたまま、もう一方の指で右の乳首をきゅっと摘む。 「っぁ」 和臣の身体がビクッと震えた。 「下手に動くなよ。切れるぞ」 男の言葉に和臣はきゅっと口を引き結んだ。黒服は慣れた手つきで和臣の乳首を愛撫していく。ピクンピクンと身体を震わせながら、和臣は時折堪えきれない吐息を漏らした。 「ふん。気持ちいいか?和臣。可愛らしく色づいてきたな。……舐めてやれ」 別の黒服が歩み寄ると、ふくらみ始めた蕾を脇からちゅっと吸い、舌で嬲り始めた。 「…っ、っぁ、ん…」 和臣の口から艶のある声が漏れ始めた。きつく眉を寄せ、せつなげに身を捩っている。胸にあてられていたナイフが、下に滑り落ちていき、ウエストの隙間に差し込まれる。刃先が、布地ごとゴムを切り裂いた。身を捩る和臣の下腹から、トランクスの残骸が滑り落ちていく。 樹はソファーに力なく突っ伏していた。月城も流石にそれ以上は見ていられず、目を逸らす。 「いい持ち物だな。和臣、自分で扱いてみせろ」 その言葉に、和臣は素直に従ったらしい。ちらっと横目で加賀見を見ると、満足そうに微笑む目に好色そうな下卑た色が滲んでいる。 「どうだ?見られながら自分でするのは気持ちよかろう?」 和臣は答えない。 「んく…んぅ」 甘い吐息混じりの鳴き声が大きくなっていく。 「なるほど。おまえはどうやら仕込み甲斐がありそうだ。さすがは久我くんの秘蔵っ子だな」 加賀見は立ち上がり、ゆっくりと和臣に歩み寄ると、顎を掴んで顔を覗き込んだ。 「生意気だが見てくれもいい。まだ10代か?肌も綺麗だな。どうだ、和臣。久我くんから私の所に身請けしてやるぞ?徹底的に躾し直して存分に可愛がってやろうか。ん?」 「っ、誰が…っ」 「ちょうどな、おまえのような跳ねっ返りのメス猫が、私の店に一匹欲しかったのだ」 「もう……やめてください!加賀見さん。その子には手を出さないで…っ」 耐えきれずに樹が涙声で叫んだ。 加賀見は振り返り、押さえ込まれながら自分を見上げる樹に頬を歪めて笑うと 「こいつが自ら望んだことだ」 樹は必死に首を振り 「お願いです。その子は関係ないんです。僕が、僕が貴方の奴隷になるから」

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