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名前

「あのね、愛斗。赤ちゃんっていうのは絶対に1人で生きていけないんだよ。っていうことはもしね、愛斗のお母さんが愛斗にそんなこと言ってたとしても、最初っからこの子はみんなから愛されない子になってほしいなんて思って名付けたとは思えないんだ。」 「でも言ってたもん…」 「確かに“斗”っていう感じには少ないっていう意味もあるよ。ただ、例えばあみちゃんって子がいたとするでしょ?で、その子の名前が“亜美”って書くとすると、“亜”っていう感じはその次とか劣ってるみたいな意味がある。だからと言って、美人じゃない子だからとか思ってつけてるはずがないんだよ。」 「それはそのお母さんだ…」 「もし愛斗のお母さんが愛斗の言ってるように思ってつけたならば、愛斗は産まれてくる必要もなかったし、今生きているわけがないんだよ。だから、今は違っても愛斗は産まれてきてほしいって願われて産まれてきた子なの。それに、俺は愛斗と出会えて良かったし、愛斗のこと愛してる。だからそんなことで悩まないで。」 千晶さんは俺の言葉を遮るようにして言った。 俺はずっとお母様に言われた言葉に囚われていた。 だって生きている意味がないって言われてるようなものだと思ったから。 でも、千晶さんのおかげで、千晶さんが愛してるって言ってくれたおかげで、千晶さんがいてくれるなら今はいいやって思えた。
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