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8-双子ができないかしら?
あれから一年後、私は陛下との子を成した。
魔法というのはやはり不思議だ。
腹が卵に変わっただけで、赤ん坊は乳を飲んで育ち、ほかの人間となんら変わらず育つらしい。
私は王妃としての地位を得るわけでもなく、家令を続け、仕事の間は赤ん坊には乳母がついている。
リリー姫も大喜びで、新しく生まれた弟が学校に通い始める年齢までは、結婚はせずに遊び相手になってあげると言っていた。
「……陛下。早く執務室に戻られた方がよいのでは?お忙しいのでしょう」
「そんな意地悪を言うな。午後の活力のためには昼食後のミルクは欠かせないんだよ」
「なにをおっしゃいます……ぁっ……!」
陛下は食堂の横の備品部屋に私を連れ込み、食後のドリンクタイム。
まったく、ろくでもない癖がついてしまったものだ。
陛下がシャツの下から手を差し込み、私の胸を大きく揉み上げる。
「ほら、愛らしいおしゃぶりからミルクが漏れ出て、シャツにいやらしい染みができているぞ」
そうなのだ。
いったいどういう仕組みなのか。
赤ん坊が卵から出てきた途端、私の平らな胸からミルクが出るようになってしまったのだ。
「へ、陛下が揉むからでしょう……!」
「ああ、赤い吸い口からタラタラ白いミルクが垂れ『私を飲んで♡』と誘っている。うんうん。んちゅっ!んちゅっ!」
「ぁっふっ……!毎度、毎度、そんないやらしい舌使い……ぁうぅぅぅう」
「ペッシェが敏感すぎるだけだろう?んん〜こっちはどうかな?」
「ぁあっ……およしになってください!昼間なのですよ!国家の長として淫蕩生活を正して……!ぁあっ……」
私のズボンが強引に引き下ろされた。
快感にむせぶ私など、武芸に秀でた陛下にとっては幼子を扱うのと同じ。
部屋の中央の作業台に転がされ、足を開かれる。
私の尻にはずっぷりとはまった魔法のアナルプラグ。
そして腹の中には、昨夜、陛下が注いだ精液が。
「すまんな、どうしても、様子が気になってしまうのだ」
そんなのは大嘘だ。
「ぁふぅぅ……」
ほら、またペロペロと入り口を舐めて……。
「ぁあっ!ぁぅんっんぁぁっ!」
クリクリとプラグをこね回して……。
「ぁひっっ!!!達してしまうっっ!!」
……ああ、やっぱり抜いた………。
「しまった。ペッシェが心地好さそうに身悶えるさまを見ていたら、ついつい抜いてしまった」
よくもまあ、毎日、毎日、同じ嘘を繰り返せるものだ。
「しょうがない。このプラグは私が洗っておくから。尻の中からトロトロ漏れ始めた精液も、しっかりかき出してあげるからね」
嬉しそうに私の尻穴をかき回す。
「ぁひっっ……ぁぅっっ!」
「ああ、まったく私は迂闊で困るね。リリーに早く次の子が欲しいと言われているのに、これじゃいつまで経ってもプラグが卵にならない」
「ぁひんっ……!ぁあっもう、達しますっ!ぁあっ!もっと奥をかき回して!」
「ペッシェ、私のイチモツが欲しいんじゃないのか?」
「ぁんんん……欲しいけどダメっっ!夜にっっ……夜にたっぷり種付けしてもらうのですからっっ……ぁ……ぁ」
……ああ、また絶頂してしまった……。
「ペッシェ、食堂では片付けをしているというのに、そんなに声を出したら聞こえてしまうよ」
………今聞こえたかは不明だが、陛下が毎日ここに私を連れ込んで、いかがわしいことをしているのはとっくにバレている。
私は立場上、陛下に呼ばれれば行かざるをえない。
そしてここで、なんだかんだと理屈をこね回す陛下に、猥褻なイタズラを仕掛けられてしまうのだ。
最初の卵を孕むときからずっとこんな調子だった。
夜に種付けしては『午前の報告で二人の子が認められるために法律上の不備がわかった』と言っては昼にイタズラしながらプラグを抜く。
非常に迷惑だ。
しかし、幼少時から植えつけられた主従意識はダテじゃない。
どうせ昼には抜かれるのだろうとわかっていても、陛下の求めを簡単には拒めないのだ。
しかも、毎日、毎日、こんなことを繰り返されたせいで、陛下が昼食をとっているのを見るだけで、ズクンズクンと体が疼くようになってしまった。
「ところで、リリーが次は双子がいいと言っているのだが」
「双子……?陛下、まさか、私の尻にプラグを二本挿しこもうなど、無茶を考えているのではないでしょうね」
「や、まあ、それが手っ取り早いかなと」
「手っ取り早く済まし、私の体が壊れたらどうするのです!そもそも陛下は私の負担も考えずに毎日毎日種付けして!」
「ペッシェも喜んでいるではないか」
「快楽を与えられる間、私の体が喜んでいたとしても、それ以外の時に多大な不利益をこうむっております。そもそも、せっかく種付けしたのに、なぜ翌日には抜いてしまうのですか」
私の剣幕に押され、陛下が一歩後ずさった。
「そ、それは……。ペッシェが真面目に仕事をしているので」
「……?当然です。それがなんだというのですか」
「落ち着いた佇まいで、さりげなく使用人達に指示を出すペッシェだが、その尻には私の精液がたっぷりと満ち、感じやすい窄まりはアナルプラグで塞がれているのだと思うと……」
うっとりした顔で私を見つめる。
「あ、貴方という人は……そんなロクでもないことを考え興奮してらしたのですか」
「こ、興奮せずにはいられんだろう?」
「………そうですか。陛下のお考えは、よくわかりました」
ふぅとため息をつくと、すっと陛下の前にしゃがんだ。
「うっうお!? どうした、ペッシェ?」
股間に顔を寄せて見上げると、戸惑いながらも私の髪を優しくかき混ぜてきた。
ズボンの前をくつろげると、反り勃ったイチモツがポロンと転がり出てくる。
今ではだいぶ先端の鍛えられたソレにほおずりしながら、チュッチュと二度ほど口づけすれば、ドクドクと脈打ち、生きた鋼 のようになった。
「ど、ど、どうしたのだ、ペッシェ……!ぁうっ……ペッシェが自分から……こんなっぁあっ」
「もう執務に戻らねばならぬ時間です。どうぞ、すぐに吐精してくださいませ」
一気に喉まで咥え、吸いながら抜く。
そして舌でクチュクチュと先端を舐め、くすぐれば……。
「はぁぁん!ペッシェェェエエエ♡」
グン!グン!と腰を突き上げ、私の口でイった。
その精液を手に垂らし……。
「ぁぎぃっっっ!!!!!?????? ぺ?ぺ?」
精液を潤滑油がわりに、陛下の尻にアナルプラグをぶち込んだ。
「ペッシェ……し、尻がピリピリと痛い……」
「多少傷付いたかもしれませんが、知ったことではございません。尻にプラグを入れたまま執務に向かい、これまでの私の不満をその身で知ってくださいませ」
なんだかんだ抵抗をしようとしたが、もう種付けさせないと言えば、陛下はしぶしぶ半日アナルプラグ体験を受け入れた。
私とともに備品部屋を出る陛下はほんのり涙目で、ちょこちょことした妙な足取りになってしまっている。
宮殿は広大だ。
尻にモノを入れたことのない陛下は、執務室に着くまでに根をあげるかもしれない。
陛下を見送り、心の中でほくそ笑みながら廊下を歩いていると、テラスにリリー姫の姿があった。
「ペッシェ、お父さまはどうなさったの?なんだか具合が悪そうだったけど……」
不安げに眉を下げた顔もリリー姫なら可憐だ。
「そうですね。少し心配ではありますが、無理かどうかはご自分で判断なさるでしょう」
……そうか。
これが陛下が言っていたことか。
陛下がアナルプラグを入れて歩く惨めな姿をリリー姫に晒してしまった。しかし、その事実を知っているのは私だけ。
さらに陛下はアナルプラグを入れたまま、重臣達の前で賢王の振る舞いをしなければならないのだ。
これまで散々陛下に振り回されてきたが。
……はぁ。
胸がすく。
「そう言えば、陛下に双子が欲しいとおっしゃったそうですね」
「ええ、双子ってとても可愛らしいと思わない?アナルプラグという魔法の道具を二つ使えば双子ができないかしら?」
「アレは卵になるまで体入れている必要がありますので、大変な負担がかかってしまいます」
「まあ、そうなの。考えなしなことを言ってごめんなさい」
リリー姫がしゅんと落ち込んでしまった。
「……どうしてもとおっしゃるなら、白い森の魔女に頼み、卵ができる部分を二連にしたアナルプラグをつくれば可能かもしれません。ただ、それだと道具自体が大きくなってしまいますので」
「やっぱり体に負担がかかって無理なのね」
「ええ。私では少々難しいかと。ですから体の大きな陛下に産んでくださるようお願いしてみてはいかがでしょう」
「まぁ!お父さまが卵を?お父さまによく似た賢い双子になりそうでとても素敵ね!」
リリー姫が輝く笑顔を弾けさせた。
ふふ……。
可愛いリリー姫に双子をねだられ、大いに困惑する陛下の顔が眼に浮かぶ。
今日の様子からして陛下がリリー姫の希望を受け入れる可能性は低いが、これに懲りて私への無茶が減ればそれでいい。
私だって、陛下のやることなすこと全て気に食わないというわけじゃない。
子作りをするわけでもないのに、尻に精液やアナルプラグを入れたまま過ごすという辱めも、毎日ではなく、週に一度くらいなら楽しめなくもないのではないかと思っていたりする。
「おや?廊下の先が騒がしいようですね」
「まあ、大変!お父さまがさらに具合を悪くされてしまわれたのね」
『すぐに医師を呼べ』と声が上がっているが、年寄りのおかかえ医者に診せたところで陛下の具合が良くなるはずはない。
リリー姫のそばを離れ、すぐに使用人に指示を出した。
「陛下を寝室にお連れせよ。具合が悪くなった理由に心当たりがある。医者に見せる前に白い森の魔女の魔法の道具を私が試すので、その間、誰も寝室に入れるな」
まあ、実際は白い森の魔女の魔法の道具で苦しんでいるのだが。
私は混乱する使用人達を静め、兵士に代わって陛下を支えて寝室に入った。
「陛下、皆を巻き込むとは……」
「い、いや、そんなつもりじゃなかったんだ。でも……」
「どうしてもコレが耐えられなかったのですね」
尻に手をやるがそれよりも……。
「おや、勃起しているではないですか」
「うう……どうしても抑えられなくてツライのだ」
「さっき抜いたばかりではありませんか。本当に、どうしようもない淫乱王ですね。長く執務を中断するわけには参りません。今日だけですよ。私が陛下の専属医師となって治療してさしあげますから、ベッドへ……」
「ペッシェェェェ〜〜〜♡」
陛下がギュッと抱きついてベッドに寝転んだ。
「さて、診察を始めましょう。今日はどうされましたか〜?おや、大変。オチンチン腫れてしまってますね〜」
「うん、お尻に何か硬いものがあるの!座るとそれがグッグって押してきてオチンチン腫れちゃう!」
ああ、いい年をした男がみっともない。
ハァ……みっともない陛下の姿。
……ハァッ……ハァッ……。
可愛い……。
……。
…………。
陛下もさすがに懲りたのか、それとも皆が扉の前で待つ中での淫行に大満足したのか、それ以降、仕事に支障が出るような行いは一切しなくなった。
逆に言えば、仕事に支障が出ない範囲ではまだまだ問題行動が多いのだが。
三十代も後半でようやく性に目覚め、性欲が爆発してしまっているのだと思えば仕方がないのかもしれない。
いや、むしろ、以前の性に無関心な陛下に戻られて困るのは私の方だ。
「ペッシェ、昼食後のミルク。早く飲ませてくれ」
「もう。仕方ありませんね……」
食後のミルクは私にとってもすっかり習慣となってしまっている。
備品室に入っただけで、乳首が硬く勃起して疼き、陛下の唇がふれるのを待ってしまう。
「おっ!今日は私の一番お気に入りの乳パッドをつけてくれているのだな」
陛下が私に贈ったそれは、乳バッドとは名ばかりの、小さな三角の透けた布のフリル付きのブラで、上下セットになっていた。
ちょっとずらせばすぐ乳首は露出できるのに、あえて中央に切れ込みがあり、そこから勃起乳首をのぞかせる。
尻にアナルプラグを入れる代わりに、私にいかがわしい下着をつけさせるのが、陛下の楽しみになった。
「はぁ……落ち着いた佇まいで使用人達に指示を出しているくせに、服の中はこんな破廉恥な下着をつけているだなんて、一体誰が想像できするだろうな」
………。
これらは全て、使用人が発注書類を持ってきて、私が許可を出して注文し、別の使用人が受け取り、検品をして陛下の元に届くのですよ。
みんな陛下の変態趣味を知りながら、素知らぬ顔をしている。
もしかすると、陛下自身がこれらの下着を身に付けるのだと誤解している者もいるかもしれない。
私は、それにも小さく興奮を覚えてしまっていた。
魔法の虹色ドロップはリリー姫に知りたかったことを教えてくれたが、陛下と私には知らなくても良いことを教えてしまった。
……けれど、知らぬ以前に戻りたいかと聞かれれば………。
「ぁっ……んんっ……今日も……おしゃぶり…んっ…お上手ですよ、陛下」
「んちゅ、んちゅっ!わぁい!ペッシェの雄っぱい大好き!」
戻りたいなどと思うはずはない。
夢は人を育て、人は夢で強くなるのだから。
《終》
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