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19話「ここから、始めよう」

 あの事件から2週間後――  鷲は5階の高さから落下したものの、転落防止ネットのおかげで全治一週間の怪我ですんだ。  鴉島はというと、あっという間に雲隠れし、警察もお手上げの状態らしい。  だが鷲は誇らしげだ。 「くーちゃんが警察官になれば、あいつらの尻尾をひっ捕まえてくれるさ。なんせ将来有望だからな」  まだぎこちないものの、鷲と鵠の関係は修復に向かっている。  まぁ、俺としても二人の仲が良くなるのは大変よろしいと思ってる。  だけどね、息子よ。母さんとしてはこれはどうかと思うの。 「僕、父さんを抱きたい」  夜、俺と鷲の寝室に来るなり爆弾発言を落とした鵠。  俺も鷲も言葉が出なかった。  鵠曰く、母さんも愛しているけど、同じように父さんも愛しているから、それを体で証明したいらしい。  真面目な奴だよ、ほんと。  鷲の反応はというと―― 「ごめん……抱かれるのはちょっと、トラウマスイッチ入っちゃうから無理、かも」  だよなぁ。  初体験がレイプじゃ、トラウマにもなるよな。  鷲の答えを聞いてシュンと肩を落とす息子。  鵠なりに考えた案だと思うと、なんだか可哀想になってくる。  そこで助け船を出すことにした。 「――じゃあさ、三人で気持ちよくなろうぜ」  鷲は俺の提案に眉を下げ、「でも俺と琴はセックスできないじゃないか」と答える。  そんな硬い口をキスで塞いでやった。  きょとんとする夫が可愛くて可笑しくて、自然と笑みがこぼれる。 「バーカ、繋がる方法なんてセックス以外にもあるだろうが」 ♢♦♢♢♦♢ 「んっ……鵠、もう……そこはいい、からっ、ぁ……」 「そうだね、母さん。ココ、もうこんなにパックリ開いてる……」 「いやぁ……」 「大丈夫だよ、琴。俺がそばにいる」  俺はあられもない後孔を息子にさらしていて、ソコを息子の手によって拡げられていた。  開脚した足を閉じようとしても、夫に後ろから抱きしめられ、太ももをつかまれている。  二本、三本と増えていく指に、アソコがジンジンと疼いて、熱くて、……  いくら互いの裸を見たことがあるといえど、いざ、三人でセックスしたことはなかったので、恥ずかしさもあった。  鷲はそんな俺の首にキスを落とし、耳元で何度も落ち着かせてくれた。 「挿れるよ、母さん――」  鵠の言葉を聞くや、俺は首だけを後ろに向き、鷲にキスをせがんだ。 「ふっ……んんぅ――っ!」  鵠のものが挿入され、ビクリとのけぞる。  声は鷲の唇で塞がれていたので、くぐもって響いた。  下で息子と繋がり、上で夫と繋がったまま、俺はすぐに果ててしまった。  「母さん、今まで一番感じやすくなってる」と鵠がクスリと笑う。 「イったばっかで辛いかもしれないけど、僕まだ出してないんだ、ごめんね」  そう言って、息子は腰を律動させた。  その動きに合わせて、俺の性器はぱちゅん、ぱちゅんと上下に揺れる。 「っひゃん! っあ、あ、待って……あ、んんっ!」 「イケない体だな、まったく」  鷲が悪戯っぽく笑うので、不思議に思っていると―― 「うそ……なんでぇ? っあ、あぁっ――!」  さっき出したばかりなのに、先端から蜜を溢れ出す性器は、またゆるゆると上に反り勃つ。 「琴、俺にも跡つけさせて」 「ふぇ?」  ゆさゆさと揺さぶられる俺の体を後ろから支えていた鷲が、ふいにうなじに唇をあてる。 「っ……母さん、もう、出そうーーっ」  鵠のものが一番奥に入った瞬間、ブルリと彼の体が震える。  ガブリ。  同じタイミングで、うなじに鋭い痛みが走った。 「っあーーーーーーー」  痛みと快楽を同時に与えられ、脳が一瞬ショートしたような錯覚におちて、俺は再び射精を迎えた。  息子がつけた番の証の上に刻まれた、夫の噛み痕。  きっとすぐに消えてしまうけど、そのたびにまた刻んでほしい。    ――その後、ダウンした俺の横で、鵠が鷲のものをフェラした。  鷲は何度も止めたが、息子は父さんにも気持ちよくなって欲しいと言って、引かなくて。  結局根負けした鷲は、少し勃ち上がった性器を鵠に差し出した。  慣れない小さい口で、一生懸命に夫のものを頬張る息子がとても健気で愛おしく思える。  鷲が果て、ベッドに倒れ、息を整える。  鵠も慣れないことをしたせいか、何度も噎せていたが、イかせられたのが嬉しかったのか、満足気だった。  俺はそんな鵠の手と、鷲の手を取り、自分の頬にあてた。 「……ずっと3人で、一緒にいような」  二人は同時に頷く。  そして再び、俺は息子と夫に体をゆだねた。

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