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それは違う53※

「んあっんんんぁ……っんぅ」 自分で尻を揺らし突き出しながら、じわじわと奥まで咥えこんだ灼熱は、根元まで収まった後も動いてくれない。 拓斗は手すりに縋りつきながら、腰を前後左右にくねらせた。 気持ちいい。でももどかしいのだ。 修平にもっと乱暴に動いて欲しい。 圧倒的に荒々しく、中を掻き回して欲しい。 「んぅ、ね、ねえ…っうご、いて、ねえ…っ」 思わず、切羽詰まった声でねだってしまった。修平のソコはいつも以上に大きい気がするのに、間違いなく欲情してくれているはずなのに、今日は全然動いてくれない。 「嫌だ。あなたが自分で犯されてるところが見たい」 修平は掠れた声で呟くと、腰は動かさずに手で前を弄ってきた。 「ひっ、ぃや、やぁ、……っそれ、だめっ」 イク寸前で、もどかしい刺激に焦れているふくらみを、長い指が絡め取る。 どうせすぐにはイかせてくれないくせに。 こちらの快感を煽る為だけにゆっくりと扱く。 後ろと前の快感が混じりあって膨らんでいく。 拓斗は恥じらいも捨てて、喘ぎながら腰を振り続けた。 ……もう、出る…っイ…っくぅ……っ 絶頂の気配が駆け上がってくる。修平のモノを咥え込んだ腔がビクビクと勝手に収縮する。握られたペニスの先が、ひくつきながらぶわっと膨れた。 「ああ…っだめだっイッちゃっ」 いつもなら、まだだと言いながら根元をぎゅっと塞ぐ修平の手が、トドメのようにペニスを扱きあげた。 拓斗は細い悲鳴を漏らしながら達して、首を仰け反らせた。 「……あ……ぁあ……っぁ、っは……ぁ」 ビクンビクンと震えながら、熱い飛沫を吹きこぼす。 気持ちよすぎて脳みそが溶けそうだ。修平を咥えこんだままの腔も、ペニスも、甘くドロドロに溶けてしまいそうだった。 不意に、修平がゆっくりと動き始める。 今、イッている最中なのに。 さっきまでは動いてくれなかったくせに。 「んんんぅっは、ぁうっやっだ、まだ、」 「声、大きいよ。それだと外まで聞こえる」 たしなめられても、抑えられない。身体の奥底から溢れて止まらないのだ。 拓斗は片手で自分の口を塞いだ。 修平は容赦なく、腰を前後に使う。まだ断続的に続いている射精が、ぐぐっと突き入れられた拍子に押し出される。 動きに合わせて揺れる浴槽の湯が、踏ん張る足の力をさらっていく。 拓斗は最後まで出し切ると、ガクッと膝を折った。 無理だ。腰から下に力が入らない。 修平の手が伸びてきて、後ろから両手をガシッと掴まれた。そのまま、前の壁に手をつかされ、崩れそうになる身体を支えられる。 打ち込まれた楔と、壁に押し付けられた両手だけで、かろうじて浴槽に前のめりにならずに済んでいた。 「動くよ」

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