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Ⅰ 零④

流動する世界は終局を迎えた。 世界は最も優れたαによって管理されるべきである。 戦争と貧困で荒廃した国は、次々とαの提言する新条約に加わった。 世界は渇望していた。 平和を。 それが仮初めだとしても、平和に限りなく近い平穏を求めていた。 それを与えられるのは、αだけだ。 β・Ωの上位種であるαだけが、ヒトの望む世界を創造できる。 世界はα・β・Ωを基軸に12分割された。12の国の頂点に君臨するのが、αのみで構成された子の国だ。 ここに、子の国を盟主とする世界連邦が樹立したのだ。 世界はαに管理を委ねる事で、平和を享受する道を選んだ。 これは差別じゃない。 平和のための区別だ。

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