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第80話
後孔がきゅぅっと締まったのは、長岡が二の腕の皮膚を吸ったからだ。
「ぁ…」
「田上にバレんなよ」
腕を下ろせば隠れる真っ白な肌に赤い鬱血が浮いた。
長岡の独占欲の色。
色っぽい視線に思わず口元を隠す。
「ペタペタしてねぇな」
「……変態っぽいです」
「ぽいじゃなくて変態だろ。
目ぇ嬉しそうだぞ、はるちゃん」
図星だ。
長岡に触れられて喜んでいる自分がいる。
見抜かれているのが悔しくて恥ずかしい。
「脇舐められて感じるなんてな。
敏感」
「からかわないでくださいよ…」
「久し振りで嬉しいんだって。
なんだかんだ今週平日会えなかったろ。
恋人同士の触れ合いだって」
それを言われると三条は何も言い返せない。
三条だって同じだ。
今週は長岡の体育祭準備等で放課後も会えず、寂しかった。
長岡だって仕事で会えないのを理解しているし、土日はずっと一緒に居れるのだから我が儘は言いたくない。
そうは言っても寂しいものは寂しい。
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