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第312話
「遥登、しがみ付いてろ」
意味も考えず掠れた声に従うと、長岡は上半身を起こした。
ベッドにケツを着く長岡の上に乗り上げ対面座位になる。
すべてが見られてしまう恥ずかしい体位だが、今はそれさえ興奮材料だ。
「ぅ"ん"ッ…、ハ、ァ、…ハァ」
この体位だと自分の体重で深くまで奥を抉られるだけじゃなく、乳首を擦り付けてしまう。
長岡の服に擦れるちんこも気持ち良いし、止まらない。
止められない。
「ま…さ、さ…すき……ぃ、す、き…」
「俺も、好きだ。
愛してる」
セックスしながら愛の言葉を紡いで、なんてベタなんだろう。
だけど、すごくしあわせだ。
安心する。
「ん…ん…ッ、」
ねちっこく腰を揺らされ言葉が紡げなくなっても、恋人に伝えたかった。
好きだ
大好きだ
俺の、大切な人
薄い腰を抱く手にそれを伸ばし、服の中へと誘った。
ドキドキと鼓動する心臓がすべての想いを伝えてくれる筈だ。
「遥登」
名前を呼び弧を描く唇が、三条のそれと重なりあった。
触れるだけのやわらかなキスを受け、三条は嬉しそうに微笑む。
「可愛い事すっから、俺のやべぇぞ」
「もっと…ほしいです」
「言ったのは遥登だぞ」
再開された律動に三条は長岡にきつくしがみつき甘い声で恋人の名前を呼んだ。
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