23 / 27
第22話
-声が聞こえる。
廊下をヨロヨロと歩いている俺の耳に、それは聞こえてきた。
立ち止まり、周りを見回す。
廊下の突き当たりの部屋のドアが少し開いていて、声はそこから聞こえているような気がする。
(あの部屋は………)
駄目だ。
(………兄貴の部屋だ)
近付くな。
頭の中で警報が鳴る。
しかし、俺の足は自分の意志を無視して動き、その部屋へ近付いていく。
-その部屋は兄貴がお仕置き部屋と呼んでいる場所だった。
普段は鍵をかけて閉まっているドアがかすかに開いている。
声はそこから聞こえてくる。
(………まさか……)
俺は開いているドアの隙間からそっと中を覗いた。
ともだちにシェアしよう!