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マフラー
まだ好きじゃない
いつもそう自分に言い聞かせる
だって中学から付き合ってる彼女がいるなんて俺の入る隙間もない
それでもアイツの顔を見るたび、話すたび、どうしようもなく嬉しくなるんだ
ある寒い日のサークル終わり、
「今日は寒すぎるよな」
「ほんとにな」
「あっ、お前マフラー持ってんじゃん!ずりぃ!」
「こんな寒い日に持ってこないやついないって」
そう言って俺はマフラーに顔をうずめた
「俺マフラー持ってないんだよね~
あ、いいこと思い付いた」
アイツはなにか企んでいる顔でニヤリと笑った
「お前のマフラー貸して?」
え?俺の?
「なんで俺なんだよ」
「えーいいじゃん!ね、お願い!」
うっ、、、そんなウルウルした瞳で俺を見るなよな
「しょうがないから貸してやるよ」
そう言って俺はマフラーをアイツに巻いてやった
「ふふっ、ありがとな!これお前の匂いがしてなんか安心するなぁ」
なんだよ、安心って、、可愛すぎるだろ、
しかも俺のマフラー巻いてるなんて、俺の所有物みたいで、、、、いや、これ以上考えるな
アイツは彼女がいて、俺はただの友達。
大丈夫
まだ好きじゃない
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