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9月 part 3-7
ふたりでなんとか非常階段を降り、人通りの多い場所に出る。歩道の隅に俺を座らせ、七星は自分の身体で、通行人から俺を隠す。そして、俺の手首を縛っている縄をほどこうとしていた。
「なんだこれ、全然ほどけない…。拓叶さん、ちょっと待ってて…」
どこかに行こうとする七星。そのシャツを、指先で掴む。そのまま、俺は倒れてしまった。
冷たいアスファルトの感触が身体に伝わる。ハアハアと荒く息をする俺を見て、七星の顔色が変わった。
「拓叶さん、まさか…、何か変なものでも、飲まされ…」
息があがる。身体が熱い。さっきまで理性で抑え込んでいた分、性欲の叫びが大きくなったような気がする。あまりの情けなさに涙が滲むが、そんなこと気にする余裕もない。肩で息をしながら、俺は七星を見上げた。
「……七星……、助けて……」
七星が目を丸くする。ごくり、と唾を飲み込む。
そして七星は、俺の首と膝下に腕を入れ、俺を抱え上げると、すぐ近くのラブホテルへと入っていった。
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