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第2話-3
「くそ…」
好きだ、好きだ。自覚してからは好きが止まらない。
「なんでアイツ、あんなに優しくて、かっこいんだよ…!!」
わざわざサッカー部の部室まで、俺の荷物を取りに行き、スポーツドリンクを買い、バスケ部の自分のロッカーから下着を持ってきてくれて…
ん?
下着?
大輝の…下着?
俺は震える手で、白いビニール袋の中身を出す。
真っ白なTシャツと、黒のボクサーパンツ。
え?
大輝の下着を、俺が着んの?
洗濯してるとはいえ、普段大輝が身につけてる下着…を…!?
うわ…いやいやいや、やべえよ!
つーか、やべえとか言ってる俺、変態かよ!
落ち着け、落ち着け…!
俺は深呼吸して、白のTシャツを見つめる。きょろきょろと辺りを見渡して、誰もいないことを確認してから、そっとTシャツに顔を埋めてみた。
微かに爽やかな香りがする。大輝のうちで使っている柔軟剤なのか。落ち着く香りなのに、なんだか落ち着かない。
心臓がドキドキバクバクと音を立て、身体の内部で熱を発生させる。その熱がだんだん下へと降りていき…
「ちっ…違う違う!」
別に下半身が反応しそうになってねえし!
もしそうだったら、俺、マジで変態じゃねえか!そんなわけねえ!
「着替える!」
スポーツドリンクを一気飲みして。
俺は、着替えに集中することにした。
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