5 / 41

第2話-2

おそらくオレは、ずっとこの調子で、こいつに絡まれ続けるのだろう。何が目的か知らないが、こいつの執念はやべぇ。 だとしたら、この負の連鎖を断ち切る方法はひとつだ! オレは瀬戸を壁際に追い詰め、両手を壁に押し付けて逃げ場をなくす。そして、少し背の低い瀬戸の顔を覗き込むようにして、至近距離でガンを飛ばしながら低い声で言った。 「…いいぜ。付き合ってやるよ、瀬戸」 オレがこいつにフラれればいいんだ。 向こうから別れを告げられるなら、円満に離れられるし、もう付きまとってくることもないだろう。 悪ぃな、りょーちん。 りょーちんの頼みだ。殴ったり蹴ったりはしねえ。 だが、これはオレと瀬戸のタイマンだ。 心の中で、闘志の炎が燃え上がる。 …オレと付き合ったこと、泣くほど後悔させてやるぜ、瀬戸!

ともだちにシェアしよう!