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君の嫉妬をくれないかい?①
……頭が痛い。
ガンガンする。
ALDHはどうした?体内のアセトアルデヒドが酢酸に分解されていない。
要するに二日酔いというやつだ。
酔いつぶれたのは久し振りだ。私も大人だからね、飲みたい夜もあるというものさ。
それにしても……やけに体がスースーする。
正直、寒い。
ここは……自室だ。
クイーンサイズのふかふかベッドは、ピンクと夜の営みを楽しむために先日買い替えたばかりだ。間違える筈ない。
ベッドに突っ伏した顔が芳しい香りに包まれている。ジャスミンの香りだね。
毎日シーツを洗ってくれてすまないね、ピンク。
洗い立てのシーツは朝になるとしわくちゃのベトベトになってしまって、いつもピンクが申し訳なさそうな顔でうつむいてしまう。
君の出したものだけど、君のせいじゃないよ。要因を作っているのは私だから。
(いっぱい出してくれて、嬉しいんだけどね)
……と言ったら、ぽこん★
ピンクに頭をこつかれてしまった。
おかしいね、伝えたい言葉を伝えただけなのに。
本当の気持ちを伝えるのは、なかなかに難しい。
私は『嘘つき』のほうが、性に合っているようだ。
それにしたって、体が冷える。
布団を被ろうにも、布団がない。おかしいな?ベッドなのに。
蹴り飛ばしてしまっただろうか。
私はそんなに寝相が悪いわけないのだが。
じゃあ、ピンク?
それにしてはシーツがきれいすぎる。
君がそばにいたら、ドロドロになるまで抱き殺してしまうよ。
……私は、夜は獣なんだ。
まぁ、いいさ。
酔いつぶれながらも、自室まで帰って来た自分を褒めようじゃないか。
このままでは風邪を引いてしまう。
シャワーでも浴びようか。
鉛のように重い体を持ち上げる。……ん?なぜ?
体を起こせないんだ。
そういえば。
寒さを感じている体は、どうして下半身だけなんだ?
上半身は暖かい。
下半身だけが寒い。
……うん?
ひんやりした感触……
直接肌に当たった……
(コレはなんだ?)
「ワアァァーっ」
「ピンクぅぅぅ~~!!」
けたたましい悲鳴に、すっとんきょうな悲鳴が重なった。
「動かないでっ」
「動くよ!」
「ブラックが暴れたら塗れないっ」
「暴れるよ!」
だって、そうだろう!
「君の指のトロトロした液体はなんだいッ?」
通りで下半身だけ寒い筈だ。
変態レンジャー総司令官
通称・司令塔と呼ばれる、レンジャーの頂に立つ私が……お尻丸出し🍑✨
すっぽんぽん!!
なんたる失態だァァーッ!!
否、今の私に己が体 たらくを悔いる暇 はない。
ピンクの指から、トロン……
垂れた無色透明な液体が、丸出しのお尻に不時着する。
「ピンク……指に付いてるのは、なにかな?」
「………」
「………」
「………」
「ピンクちゃ~~ん!!」
「はい」
「良いお返事だ!今すぐ指を拭きなさい」
「嫌です」
ピンクが私のお尻を狙っている(゜ロ゜;ノ)ノ
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