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改元!令和SP★言祝月夜(ことほぎづきよ)②
「ねぇ、居るんだろう?」
息を切らした声だけが響く。
おかしいな。
私は判断を過ったか。
いいや、そんな事はないはずだ。
ハァハァハァハァ
暗がりに押し寄せる切れ切れの呼吸音。
心臓の音さえ聞こえてきそうな静寂が、私を包んでいる。
(まぁ、いいさ)
足音が聞こえない。
どうにか上手く巻けたようだ。
レンジャー隊の面々を
(仲間に追われる事になるとはね)
時間は稼げた。
後は、この時間がいつまで持つか……
『彼』を見つけない事には、私に待つのは敗北だ。
しかし。
(不思議だね)
全く負ける気がしないよ。
暗がりに腰を下ろして、闇色のマントに隠れた盛り上がりを確認する。
(おやおや)
あの子も私を追いかけているのかい。
ちんリウムがムクリ!
元気に起き上がっている。
(近くまで来てるんだね)
愛しいピンク💗
君に反応して、ちんリウムが起き上がっているよ。
だけど、ごめんね。君に会う事はできない。
だって、君も私を狙ってるんだろ。
変態レンジャー諸君
どこまでも私を追いかけるかい?
だが、君達に捕まる訳にはいかないよ。
私は変態レンジャー総司令官
通称・司令塔だ。
私の思考は常に君達の上をいく。
負けないさ。
否。
(勝つのは私だよ)
これは理論も戦略も根拠もない自信だ。
しかし負ける気がしない。
経験だよ。
亀の甲より年の功というやつさ。
まぁ、年の功だと胸を張れるほど歳を食っちゃいないけどね。
「なにしろ、私はピッチピチの二十歳だから」
……『相変わらず、あなたは嘘つきですね』
ほら。
やっぱり、ここに居た。
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