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番外編 千思万考

マカオを拠点とするチャイニーズマフィア青蛇の元ドン・李浩然こと、卯月真沙哉が福島県F市内の警察署に出頭したというニュースは大々的に報道された。 そして2日後………… お祖父ちゃんとお義父さんと一緒に警察署に赴いた彼。伊澤さんの特別な配慮で、移送され前に真沙哉さんと゛家族゛として向き合い少しだけ話しが出来たみたい。 護送車に乗り込んだ真沙哉さんを見送ったあと、祖父ちゃんとお義父さんも新幹線で東京へと戻った。 その日の夕方、組事務所で紗智さんと再会を果たしたマーナオさん。 一目見るなりぷいっとそっぽを向いてそれから30分近く黙り込んでいた。 「浩然がね、幸せに出来なくてごめんって謝ってたよ」突然口を開いてボソッと呟いた。 「浩然が………?」 信じられないとばかりに口元を手で覆う紗智さん。 「ボクはね、琥珀という子が一番大嫌いだった。今もだよ。でも………」 そこで言葉を濁すと、 「卯月さんたちに言われたからじゃないよ。仲直りするのは。勘違いしないでよ」 耳まで真っ赤にし慌てるマーナオさん。 もしかしたらツンデレなのかも知れない。 「それで未知、マーと、マーナオ呼び方が似てて紛らわしいだろ?でな、マーナオに新しい名前を付ける事にした」 「新しい………名前?」 「あぁ」彼がそう言ってメモ帳にペンを走らせた。

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