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㉗高校生活は前途多難!?
……令嬢ねぇ。
だからか、彼女の立ち振る舞いが堂に入っているように見えたのは――。
なるほど……。
藤堂は月夜が好きなのか。
月夜の許婚になった俺は彼女の好敵手 になるわけだ。
それですごい形相で俺を睨んできたんだな。
「藤堂さんには気をつけなよ? 彼女自体がどうのっていうことはないんだけど、彼女の傍にいる取り巻き連中がね……他校と暴力沙汰になったとかいう噂があるから……」
――へぇ。
そんな奴らが藤堂の周りにいるのか。
まあ、俺は男だし、いざとなったら俺も負けないし?
特に問題ないだろうけど。
「うん、ありがとう」
その時の俺は、これから自分がどうなるかなんて気にも留めなかった。
女子の嫌がらせなんて大したものじゃないと、たかを括っていたんだ。
その考えが甘かったのを思い知ったのは、その日の放課後だった。
――第六話・高校生活は前途多難!? ・完――
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