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㉒高校生活は前途多難!?
突然降って湧いたように出てきた、『ソレ』の考えが何なのかわからず、俺は居心地が悪いまま、与えられた席に座った。
「気にしなくていいよ? 女子ってみんなああだから」
山本 沙耶が話しかけてきた。
俺は彼女の言葉でようやく現実に戻った。
「えっと?」
彼女はいったい何を言っているんだろう。
ああ、そうか。
山本 沙耶も女子たちのヒソヒソ話が聞こえてたんだな。
それで俺と同じように不快だったっていうことだろうか。
『女子ってそういうものだから』
だけどさ、そう言う彼女もまた女子なわけだ。
彼女だって内緒話くらい言う時あるんじゃないか?
俺の勘繰るような視線が気に障ったらしい。
「なに?」
彼女はつり上がっている眉の端をさらにつり上げた。
気に入らないことには目を逸 らさず、向き合う。
こういうところ、ますます花音にそっくりだ。
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