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「唯斗、俺も好き。唯斗から連絡もらえなくて本当に寂しかった。」 「え、?涼ちゃん…」 「もう無視したりしないで。」 胸のあたりにこつんと涼ちゃんの頭が落ちた。 混乱したまま、理解できないのにただ目頭がどんどん熱くなって、視界がぼやける。 ほんとに? 「俺も、好き…っ、ずっと好きだった、涼ちゃん…っ」 「泣かせてごめんね、もう唯斗だけにするから。唯斗だけが好きだよ」 「うん…、んんっ、」 にこって笑った涼ちゃんが俺の涙を舐めとって、顔中にキスを落としてくれる。 物凄い至近距離で見つめてくる涼ちゃんの目がどんどん潤んで行くのがわかった。 ふたりでほっぺを濡らして何度も重ねる唇は、初めて心が通じたキスのような気がして、くすぐったくてあったかくて。 二人の体温が溶け合って、このままひとつになれるんじゃないかなんて馬鹿なことを考えながら、涼ちゃんの身体にぎゅうっとしがみつく。 懐かしい香りのベッドに押し倒された俺は、夢みたいな現実にゆっくり目を閉じた。

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