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悪魔の証明 10
思い切り頭突きを食らった顎を、後藤はぼんやりと撫でていた。
もうそれほど痛くはないがーー
ーーあの顔。
心底軽蔑したような、高校時代にすら見たことがない、前向きな色の何一つ無い目。
それが痛かった。
そして、結局のところ力尽くで片を付けてしまおうとする自分の情けなさもまた、胸の中に重い。
その虚無感にゆるゆると頭の中を掻き乱されながら、後藤はただ吸い殻の山を築いていた。
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