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★22-3 快楽の入り口?【注:本命以外と】

將梧(そうご)」  無反応の……いや。たぶん表情を固くしちゃってる俺を見て、(かい)が微かに眉を寄せる。 「嫌ならやめよーぜ。男が平気ってわかったんだしよ。あとは、ちょっとずつ涼弥とやってけばいーんじゃねぇの?」  涼弥と……そうだ。今こうしてるのは、涼弥を拒否しないかどうか確かめるため。  そして、男とのセックスが怖くないかの確認。  それと、どんなことしてどうなるのかも知りたい……知っておきたいから。  涼弥とする時にパニックになったり、恐怖と嫌悪感で怖気づかないように。  だけど、それだけじゃないよな。  この気持ち。  経験しときたいって思うのは……俺のエゴだ。 「大丈夫。やって」  凱が片方の眉を上げた。 「嫌じゃない。先輩にムリヤリされたのと違うって……嫌なコトじゃないって知りたい」 「ん。オッケー。痛くしねぇよ」 「しただろ。さっき」 「ごめんね」 「いいよ。気持ちよくなるって……わかっててやめなかったんだろうからな」 「まーね」  ニッとした笑みを残して、凱が視界から消える。  すぐに戻った凱の手にはローションのボトル。 「膝立てて脚開いて」  う……その恰好って全部丸見え……超恥ずかしいよな?  動かずにいる俺を、凱は容赦なくバッサリ。 「見られんの嫌なら挿れんのは無理」  ですよね。  うん。わかってる。  膝を立て。そろそろと脚を開く。  その間に身体を割り入れた凱が、ローションを手のひらにトロリと出した。ボトルを脇に放り、左腕を俺の膝裏に差し入れて持ち上げる。 「やっ! じゃなくて……やっぱ恥ずかしいだろ。そんなとこマジマジと見られたら……」  尻が上向きになって。ペニスと睾丸はもちろん、アナルがさらに丸見えになってるだろう体勢に顔が熱くなる。 「ケツの穴って思わなきゃいーじゃん?」 「じゃあ何の穴だよ?」 「んーと……快楽の入り口?」  自分の口から笑いが漏れる。 「いいな、それ……うあっ!」  突然、アナルをぬるりと触られた。 「力抜いてて。ちょっと冷たいけどすぐあったまるからさ」  凱はいきなり指を突き入れたりせず。  穴の周りをクルクルと撫で、時々(ひだ)を伸ばすように擦る。  視線を凱に向けると、俺のアナルを真顔で見つめてるのが見える。  恥ずかしいってよりも、そこ触られるのが変な感じで……なのに、ペニスが反応するゾワゾワ感が……。 「あ……凱……」 「入れるね。まず1本」  つぷ……。  身構えたような痛みも悪寒も恐怖もなく。  凱の指はスルリと俺の中に入った。 「ふ……あっ、あッ……」 「怖い?」  首を横に振る。 「よく(ほぐ)さねえとな」 「うあッ……! うっあっ……」  アナルの中で、凱の指がうごめく。腸の壁を指先で撫でられ、指の根元で入り口を広げるように押されるのを感じる。  ぬぷぬぷと。  暫くソコをいじられ続け。 「もう1本」 「っあう……ふ……うっ……っあッ……」  倍になった指の圧迫感に、息が浅くなる。  今度は2本の指で中を擦られ。抜き差ししながら、アナルの襞を指で広げられる。  痛くはないの。ちっとも。  ただ……時折来るフワーっとなる感覚が未知の快感で。 「あ……んっ、くぅっ……」 「將梧。中に気持ちいいとこあって、勃ってる時は硬くなるから触るとわかんの」  あ……前立腺ってやつか。  そこがいいっていう知識はある。 「うん」 「こんだけ勃ってればバッチリ」 「うあッ……んッ!」  唐突に、凱が俺の半勃ち強のペニスにしゃぶりついた。  数回、舌を絡めながら唇で扱いて離れる。 「よ過ぎて怖いかもしんねぇけど、大丈夫。気持ちよくなれよ」  中にある凱の指が、腹側の一部分をグイッと押した。 「ひぃあッ……! ああッ……」  痛さ3歩手前くらいの快感が、ペニスの根元に走る。 「やっ、まっそれ、ちょっとまっ……んッああッ……!?」  薄い腸壁越しに刺激される前立腺の快感が、ビリビリと背骨から脳まで伝う。 「凱っやだっこれっ……ひああッ……!」  2本の指でコリコリと強く擦られて。触れてないペニスにも、どこからかわからない快感の波が襲ってくるようで。 「っう……んんっ……」  凱に口を塞がれた。  侵入する舌にねっとりゆっくりと口内をなぶられ、熱い舌に応えながらも。  強い快感に身を委ねちゃおうとする自分に『待った!』がかかる。  初めての受けは涼弥とじゃなきゃダメ。  沙羅の言葉が頭に浮かんで。  実際にこの快感に晒されて。  怖いくらいの気持ちよさに、ほかはどうでもいいってなりそうで。    だけど。  たとえこの一時だけの間にも手放したくない思いがあって。 「んっ……やめ……おねが……い、んんッ……はっあッ……!」  夢中で伸ばした手で、凱の肩をぎゅっと掴む。  凱が唇を離し、指を動かすのも止めた。 「イキたくねぇの?」 「中で、は……今は、イキたくない……」  荒い息づかいでやっとそう言うと。  俺を見下ろしたまま、凱が笑う。すべてお見通しな感じで。 「涼弥?」 「う……ん、ごめん……ほんとに」  凱は、俺の方脚を持ち上げる形でベッドについた手を外した。  そして、アナルに入れた2本の指をゆっくりと引き抜く。 「うっ……あッ……」 「思ったよりもったねー」 「え……?」 「もっと早くやめると思ってたぜ?」 「凱。俺……」  何て言えばいい?  何て切り出せば……うまく伝わる? 「挿れんのはなし?」 「うん。ごめん……」 「あーでも、1回イカせて。お前もそれじゃつらいだろ。一緒に扱いてもいー?」  返事をしない俺の頬を、凱が撫でる。 「どうした? こんなんで気に病むなよ。仲良くイって終わろーぜ」    凱が位置を合わせ、自分のペニスと俺のをくっつけて握り込む。 「うッあっ……う……待って……お願いが、ある」 「んー? イってからじゃダメ?」 「ダメっていうか。凱……」  まだ欲情の消えてない凱の瞳を見つめる。 「お前のこと抱かせて」

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