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…どうして…」
そう言った後、しまったという顔をして口を閉じる晃。
「見たんだ…晃が速水と居るところを…どうして相談してくれなかったんだ?…そりゃ、俺じゃ頼りにならないかもしれないけど…俺だって、晃を助けたい。親友だろ、俺達」
「…親友?本当にそう思っている?」
「もちろん。当然だろ」
晃の問いに俺は即答する。
「…でも、僕が速水に脅されているとして…由貴に何ができる?何もできないよな?皆、速水が怖いんだ…」
晃は諦めたように目を伏せてそう言った。
「そんなことない!俺は絶対、晃を助ける!!」
悔しかった…諦めたように言う晃に何もできないなんて…。
こんなんじゃ…親友だ、なんて言えやしない…そう思って…。
晃は少し考えていたみたいだが、少しして口を開いた。
「…実は…由貴の言う通り、速水に脅されているんだ。金を持って来いと言われている…」
…やっぱり…。
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