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第4話

『俺なら我慢できねぇわ』 吉田のせいだ。 あいつが変な事言うから……勝手にヘンな事考えちゃっただろ…… 「……お、おぅ」 ざわざわした気持ちを無理矢理抑え、手渡された着替えを持って脱衣所へと向かう。 清潔感のある洗面台。 並んだ二本の歯ブラシ。コップ。 ひとつは青。もうひとつは黄色。 居候というより、同棲してますオーラが漂っている。 そう言えばひかるの従兄弟、美人って言ってたよな…… ひかるが言うくらいだし、相当美人なんだろうな。 今度吉田に言ってやろう。 凄ぇ見たがるだろうな、あいつ。 スクールシャツとパンツを脱ぎ捨て、バスルームのドアを開けた。 纏ったシャツから、ふわっと香る爽やかな匂い。 ひかるにしては大きめのカットソー。 デザインも、ひかるらしくない気がする。 「……おっ」 ダイニングキッチンへと顔を出せば、何やらいい匂いがした。 「美味そー!」 「あ、恭平。……確かオムライス、好きだったよね?」 ダイニングテーブルの上には、オムライスとスープ、サラダが用意されていた。 「……一緒に、食べよ?」 「お、おぅ」 予想外の展開に戸惑う。 思わず返事をしてしまったが…… 「てか……従兄弟と一緒に食わねぇの?」 「………食べるよ、いつもは」 ひかるらしいデザインの部屋着姿。 しかし、サッと拭いただけなんだろう。 まだ髪が湿っている。 俺に背を向け、キッチン奥の冷蔵庫へと向かう。 麦茶を取り出し、食器棚から取り出したコップにそれを注ぐ。 何だかその背中が、寂しそうに小さく見える。 「今日は、彼氏の所に泊まるみたい」 ……ああ、成る程。 「………」 寂しさを、俺で埋めたいって事か。
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