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その後 第14話
トントン
扉がノックされた。
「暉さん」
「巳露さん。」
「お話終わったよ」
「はい。今いきますね」
リビングへ戻ると社長が優しく微笑んでいた
「君たちは本当に似た者同士だね」
「え?」
「互いに狂おしいほど愛しているのに想い過ぎてすれ違ってる」
「…」
「ねぇ。連動くん」
「はい」
「桐里くんと離れたいの?」
「嫌です」
「峻くん…」
「だったら側にいればいい。それだけのことだよ。桐里くんは君が自分の姿を見て呆れて離れたいと思っていると感じている。ただ君が優しいから側にいてくれているんだって」
「違います!俺が巳露さんを愛しているのにそれを信じてもらえてないのですか?…俺は貴方がいないと息もできないのに…貴方が消えれば俺も消える。貴方がいなきゃ生きている意味なんてない」
「だって…綾薙くん…とっても綺麗だし若いし」
「綾薙は俺にとって一後輩でしかありません。あいつには悪いけど俺はあいつに腕を組まれたって抱きつかれたって少しも気持ちは動かない」
「でも…萩は?」
もう一人悩ませる人物は萩。彼は巳露さんの大学時代のバイト仲間で何度か会っているが会う度何故か誘われる。萩さんも巳露さん同様とても綺麗な人でモテるしパートナーもいるから俺に対するあれは一種の挨拶だと思う。けど会う度抱き着いてくるしキスしてくるし…困ってる
「萩さんのあれは挨拶でしょ?」
「でもっ!萩の方が若々しいし!美人だし!!」
「あのさ。巳露さん」
「っ…」
「自覚してます?自分が誰より目を引く存在って。まぁ。社長とかマネージャーからすればあれですけど。だからといって仮に社長たちに口説かれたとして俺は揺れない。俺には貴方しか見えてない」
「ふふっ。言ってくれるね。失礼だなぁ」
「すいません」
「でもそういうものでしょ?見た目じゃない。俺の周りには綺麗な人が多い。知ってるでしょ?華陵院 朝陽」
華陵院 朝陽は日本を代表する俳優だ。年を重ねても美しさは変わらない
「朝陽さんは叔父なんだけどあの人の周りは綺麗な人ばっかりなの。俺も自分で言うのもなんだけど綺麗だと言われてきたけどそれでもやっぱりあの人たちには敵わない。そんなに顔が好い人がいても暉さんは俺を選んでくれた。結局さ見た目じゃないんだよ。連動くんは男らしい顔をしてる。本人は無自覚だけどとても魅力的。性格も男らしくかなりモテる。それは見てて知ってるけど。だけどさ。普通に見てみて。失礼かもしんないけど暉さんの方が美人でしょ?」
「そうですね」
「じゃあ君を暉さんが口説いたとして君は揺れるの?連動くんじゃなく彼を選ぶ?」
「あり得ません」
「そういうこと。君たちは互いを必要としているんだからもっと我が儘になればいい。我慢しないで思ったことは言わないとまた今回みたいなことが起こるかもしれないよ。取り返しのつかないことになってもいい?」
「…嫌です」
「だったら互いの想いを信じて一緒にいてね。俺たちの中で君たちは憧れなんだよ。変わらない気持ちでずーっと長く共に生きてる。それってとっても素敵だよね。俺たちもそうなれるよう寄り添い手を繋いでいくからずっと前を走っててね。そろそろお暇するね。しっかり怪我治して戻っといで。君たちの仕事はこっちに任せてね」
「ありがとうございます」
「じゃあね。帰ろ。暉さん」
二人は互いに手を取り寄り添いながら帰っていった
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