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夜道でドキッ☆(クズヤリチン×モブ)
「はあ、今日も仕事終わり。家に帰ろう」
おれは、名前のないモブおじさん。
顔とかも、特に描かれない。
モブの中のモブ。
周りを見れば、社内恋愛をするBLカップルがそれなりにいる。
おれや他のモブおじさんは、そんな二人の仲を引き裂いたり。
受けや攻め、どちらかを犯して、どちらかに成敗されるような役。
ただ、おれは他のモブおじさんと違うのは、犯すよりも犯されたいと思っている、ネコのモブおじさんということ。
おれと同じようなモブが登場する話を読んでも、大抵は、犯す側。
解っている。
モブごときが、ワガママを言ってはいけないのは。
だけど……
おれは、窓側の席の錫浦 怜 課長を見る。
錫浦課長は、まだ三十代前半という若さだけど、社内トップ成績。
どんなことにも寛容で、男の中の男。
社内のBLカップルのことも、そんなに注意しない。
「はぁ、カッコいいなあ」
少し長い黒髪。
キリッとした綺麗な紫のつり目。
スーツはキチッと着ているし。
ノンケ、ということは解っている。
でも、彼に犯されたいなあ。
なんて、思いながら見つめていると「なあ」と錫浦課長がおれに声を掛ける。
「私に、何か付いているのかい? ■■くん」
「あ、いえ!」
「そう。あ、最近、通り魔が出るらしいから、気を付けて帰るんだよ」
「え……? あ、はい」
優しいな。
こんなモブにも優しく声を掛けてくれるなんて。
■■
帰り道。
駅前は明るいが、そこから少し離れると電灯が数本しかない暗い道になる。
会社の近くに引っ越してきたとは言え、毎晩この道を通るのは嫌だな。
こんなことなら、少し定期代がかかるが、実家から通えば良かった。
そう思っていると、いきなり後ろから鉄パイプか何かで殴られた。
くらっとし、手放しそうになる意識の中。
おれは、フードを深めに被った錫浦課長を見た。
■■
「やっぱ、良いな! ヒャハハッ!」
そんな声で、おれは意識を取り戻す。
「っ、ぅ、あ……?」
あれ?
どうして、おれ。
下半身、裸になっているんだ?
それに、ここ、路地裏……。
何が起きたか判らないおれに、男が言う。
「言ったろ? 通り魔が出るから気を付けろ、て」
「え……?」
声のする方を見ると、パーカーを着た錫浦課長がいた。
意識を失う前に見たのは、幻覚ではなかった。
「か……課長……?」
「ククッ、ほんっと良いよな。モブって」
課長はおれの髪を掴み、嘲笑するように嗤う。
「どんなことしてもよ、無かったことにできるんだぜ?」
「っ」
「そんな怯えんなよ、■■! お前だって、この俺にされたいって、望んでたろ?」
「……!」
「クククッ」
課長は嗤う。
いつもの優しい課長ではない。
誰だ?
誰なんだ、こいつは!
そう思っていると、膝の裏を課長に蹴られ。
おれは床に膝をつく。
何も判らないおれに、課長は「口」と言った。
おれが、怯えながら口を開けると。
そこに課長の太くて硬いおちんぽが、おれの口の中に入る。
乱暴に、おれの口を犯す課長。
喉の奥を突き上げ、呼吸が上手くできない。
嫌だ。
だけど、なぜだろう。
そこから、今まで感じたことのない、快楽がおれを支配する。
空いてる手で、おれはおれの孔を弄る。
「っ、ぅん、ぐっ、ぁ、ぁっ♡♡」
喘ぐおれに、課長は嗤う。
「やっぱ、されたかったんだな」
「ぅんっ、ぁ」
口を犯されている。
でも、もう全身犯されているような感覚。
いつものアナニーが止まらない。
止められない。
早く課長の真っ白な液汁が欲しい。
そう願うと、急に口の中が、課長の真っ白な液汁で溢れた。
口から漏れそうな液汁を、課長は溢さず呑み込めと言った。
なるべく溢さないように呑み込むが、やはり、少し溢れる。
それを見て、課長は舌打ちをする。
「溢すな、と言ったろ?」
「っ、ぁ……」
「まあ良い。てめえでほぼ解したんだろ?」
課長はそう言うと、おれの孔におちんぽをぶち込む。
衝撃で、大声で悲鳴のような嬌声が出そうになったおれの頭を床に押さえる。
「俺は、お前と違ってバレたら不味いんだよ。解るよな?」
「っ」
小さく頷くおれに、課長は「よし」と言い、手を放す。
「声、出すなよ?」
「ぅんっ、はい」
「ククッ」
「っ、ぁ、ふぅ……」
声、出さないようにしないと。
死ぬ。
殺される。
「ぅ、ぁ、ぐっ、はぁ、ぁんっ」
「なあ、感じるか? 俺のちんこが、お前の中で大きくなって、突き上げているの」
「っ!」
「お前のこと、雌にしたいってよ……っ。ヒャハッ♡」
「っあぁんっ、か……ちょ……っ、ぅんっ、めひゅ……、めひゅにしれぇぇっ♡♡♡♡」
「ヒャハハハハハッ!」
「はぁぁんっ」
される。
されちゃう。
雌に。
好きな錫浦課長にぃっ♡
「ぁんっ、ああっ、あああんっ」
「そろそろイくぞ、お前もイけ!」
「はぁあああああんんんっ♡♡♡」
どぴゅぅぅうんっ、と音と共に、おれの中に課長の真っ白な液汁が出る。
おれもイった。
でも、真っ白な液汁は出ない。
メスイキ、というものだろう。
でも、そんなこと、どうでも良い。
「かちょ……、またヤって……ください……っ♡」
強請るおれに、課長は頷く。
「良いよ」
「っ♡」
「でも――」
課長は、パーカーから十徳ナイフを出す。
「――さっきとは、違う刺激を与えてやるよ」
「え……? かちょ――」
どういうことか、訊こうとした瞬間。
おれの首に、その十徳ナイフは突き刺さり、血液が大量に吹き出た。
ああ、雌にされた挙げ句。
課長に殺害されるなんて。
なんて、おれは幸せなのだろうか。
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