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いつもの3人組

「うおー。地味につれえなこの作業」 「俺はさー。被害者だと思うわけよ。どーよ、まだ終わらねえの?」 二人の賑やかなノートの書き写しを見ながら、 「どっちもどっちだし、やってた事も子供じみていたよ」 文庫本を手に取り呆れ顔で答える。 「何だよ。フォローしろよ」 「お、もうすぐ終わる。ラッキー」  カリカリとシャープペンシルの音も軽やかに聞こえる。 「っしゃー!終わった終わった。悪いな2人とも。俺は行くぜ!」 借りていたノートをバサバサと返し、帰り支度を急ぐ。 「僕はただ、君たちにつきあわされていただけなんだけれども?」 静かに文庫本を閉じる。 「あ、そういえば今日ってさキスの日なんだってよ」 「は、何いきなり?」 「ねえ、今の僕たちの状況を歌ってごらんよ。オペラな感じで」 二人は呆れる。 「そうね~。ここはだんしこお~。おうふ」 テンション上げて身振りを交える。 「まあまあかな?一人じゃできないんだし、でもテンション上げてどうするの?」 「や、校門の外に俺の運命の子が帰宅中かもしれない。でわ。さらば」 足早に図書室を出て行った。 人気のない図書室に二人が残る。 「だって。君の予定は?」 「お前こそ塾行ってるじゃん。女子と会うだろ?」 「塾は彼女を作るところではないさ」 短い会話が終わる。 「ねえ」 「ん?」  あごの先を持たれ唇が重なる。 うっかりぶつかってしまったようなものではなく、 あたたかさと柔らかさがしっかり伝わってくる。 「キスの日。ちょっと世間の流行りに乗ってみたよ」 「おい」 「ん、怒った?ごめん。ふざけすぎかな」 少し首を傾げて切なげな顔を見せるとあごをぐいっと押さえられて唇が合わさった。 舌で歯をむりやりこじあけ捕まえる。 ちゅっ・・くちゅっ・・・ 「んっ・・ふっ・・・」 戸惑いながらも拒絶はしなかった。  細い糸でつながりながらお互いの唇を離す。 「今日はキスの日なんだろう?シャレでやってるやつもいるだろうから、 これはノーカンだからな」 「今のがノーカンなの?今日するのがノーカンなの?どっちになるの」 「今日23:59までがノーカン」  そう言ってネクタイを無理矢理引き寄せ唇を合わせる。 今度はお互いの舌を探り合うように深く深く。 「これ、キスの日って言うより、舌の日じゃない?」  ふふっと思いながら首に手を回しからみつく舌に全てをゆだねる。

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