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第1話
放課後、空が薄らと橙に染まる頃、補習を終えて校舎から出たキョウヤは3、4人程の少年達の会話の声を聞いて立ち止まった。
「……返して」
「悔しいなら奪い返してみろよ!男女」
「背が低いから取れないんだろ」
一人がが聞き覚えのある声だという事に気付いたキョウヤはすぐにそちらへ駆けて
「おい、やめろ!返せよ!」
間に割って入り高く掲げられたアキラの鞄を無理矢理奪い返した。
協調性が無くクラスで孤立しているアキラがいじめを受けているのは別に珍しい事ではなく日常茶飯事だった。
「は?やんのか?」
特に柄の悪そうな一人がキョウヤを睨みつけるが、
「そっちがやりたいんなら好きにしろよ」
長身で筋肉質の体に怖気づいたようでぶつぶつ言いながら去っていった。
さっさと自分一人でキョウヤを置いて歩き出すアキラを追いかける。
「おい、お礼くらい言えよ」
「別に助けてくれなんて頼んでないだろ」
毎度の事だがこんな奴助けなければ良かったと思った。けれどどうせ次見かけたらまた無視出来なくて助けに入ってしまうのだろう。
キョウヤはこっそり隣を歩く頭一つ分背の低いアキラを盗み見る。
華奢な背恰好に色白の肌、桃色の唇、濡れ羽色の真っ直ぐで艶やかな髪、アキラは黙っているとまるで美しい人形のようだ。
幼い頃から一緒に街を歩くだけで他人の視線を集める事に気付いていた。
あいつ等も本当はアキラに惹かれているのかも知れない。と思う。なのにこいつは何をされようが平気な顔をしているから気に食わないのだろう。
「なんでまだ学校に残ってるんだ?」
「キョウヤを待ってたんだ」
少しも照れる事なく言うアキラに微妙に嬉しい気持ちになった。
キョウヤとアキラの家は隣同士だ。必然的に帰り道も一緒だがほとんど会話は無かった。
「……今日は寄っていかないの?」
家の門扉を開けたアキラがガラス玉のように丸い瞳が真っ直ぐにこちらを見ている。
今までその体に受けた快楽を思い出し思わず唾を飲み込む。胃の辺りがかっと熱くなった。
先程アキラを助けた後と同じように後悔する事がわかっていながらキョウヤは頷いた。
アキラの部屋は清潔できちんと片付いているが殺風景だった。ベッドと勉強机の他に置いてある物といえば本棚くらいだ。
まるで子犬が飼い主の顔を舐めるようにむしゃぶりついてくる。獣のような接吻をやっと終えてアキラが唇を離すと二人の間に出来た銀色の線がぷつりと途切れる。
アキラは休む暇無くキョウヤのベルトを外しズボンを脱がせようとする。キョウヤも抵抗しなかった。
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