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恋文

拝啓 蒼咲 颯さま。 さわやかな5月の風が 心地よく感じられ、 街路樹の葉が青々と生い茂り、 目にあざやかに映っている季節になりました。 初めて書くから こんな形式ばって初めてしまうのが 正解なのかは分からないけれど、 こんな形にしてみました。 まず、最初に謝っておきます。 ごめんね。 …本当にごめんなさい。 キミのせいになってしまうかな? でも…。 そんなつもりは無かったんだ。 ただただ、キミのことが好きだった…… いや、愛してたのかな…? そうだ。 愛だ。 勝手に、 片思いをして… 好きになるどころか、 キミのことを愛してしまった。 重いな。 自分でも思うよ。 こんな恋を。 こんな叶わぬ恋を。 僕はなぜこんなにも… 大切になんかしているのだろう。 きっとそれは、 それだけキミのことを想っていたから… そう思う。 そうでなきゃ… そうじゃなかったら… キミに振られても諦めなかった理由が なくなってしまうから。 … そうでもしなきゃ……。 こんなに長い間 ツラいおもいをした事を あとで後悔してしまう。 そんなことはしたくない。 キミのことを… 後悔するような人だった そう、思いたくない。 …どうせならいい人だった。 そんなところもあったけれど こんな、いい所がたくさんあったんだ。 そう思いたい。 せっかく、こんなにも愛したのだから。 僕が死ぬと、 キミにも迷惑がかかってしまうことも ちゃんと分かっていたよ。 ……本当なら キミに迷惑はかけたくはなかった。 大好きなキミには。 でも、 でも… でも。 少しでもいいから… ほんの少しでいいから。 ほんのすこしでよかったんだ、 僕のことを覚えていて欲しかった。 結局 僕は 男なのに、 男のキミのことが好きで。 愛してて。 …キミの役に立ちたくて。 でも 僕には少し難しすぎた…。 キミのために生きたかった。 でも僕の心は、身体は… 僕の想いにはついてこられなかった。 ごめんね。 こんな手紙を 勝手に書いて重いよね。 それでもキミの記憶にだけは 留まりたくて。 友達よりも 兄弟よりも… 親よりも…… 誰よりも、 キミの心から、記憶からは 何がなんでも 絶対に消えたくなくて。 だからって こんな 絶対に忘れられないような 記憶に刻まれるようなことして、 でも、 それくらい僕の想いは キミに向いているんだ。 こんな形で残りたくはなかったけど 頭の悪い僕には こんな方法しか思いつかなかったんだ。 キミの嫌いなことは… イタズラはしないって ずっと思ってたけど… ごめんね。 最後にイタズラしちゃった♪ どうか… 君の心に…。 記憶に…。 残っていられますように。 こんなこと書いた人が 何言ってるんだって感じかもしれないけど この想いは本当だから、 これからキミが幸せな生活を おくっていけますように。 こっちの世界にはずっと後に来ますように。 心から 祈ります。 敬具 紺野 真汰

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