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2.30代童貞だとバレまして

「クソッ! なんだってんだ!?」  何がどうしてこうなったのか俺にはわからなかった。  全く使えなかった部下がこの世界では「天使」と呼ばれ、どうもその穴の具合がものすごくいいということで大事にされている。じゃあしょうがない。コイツでもいいかと犯そうとしたら宰相とかいう奴にぶん殴られて牢屋に入れられた。  俺は王じゃなかったのか?  わけがわからず牢屋の隅に置かれた粗末なベッドに身を投げ出した。たった一日で王から罪人に格下げとか意味不明だ。 (ま、でもいいか……)  短小な俺自身のせいで俺は全てに飽いていた。女を抱くことはかなわない。一生独身で、一生童貞。アレは小さかったが性欲は人一倍ある。自家発電は一日最低2回。とうとうこんな男しかいない世界に召喚されるなんて誰が思うだろう。  そのままぼうっとしていたら、 「おい、起きろ!」  牢屋の檻の向こうから声がかかった。俺は逆らう気も失せず、のろのろと身体を起こした。  檻の向こうには兵士と思しき者と、宰相の姿があった。 「貴様は王ではなかった。コーヤマさまの温情により貴様を元の世界に帰してやることになった。だが送還の儀式には一月かかる。それまではここで暮らすがいい」 「飯とか風呂は? 服も返してくれるんだろーな?」 「必要最低限は用意させよう。元の世界に帰す際に服も返してやる」 「ふうん。勝手に召喚しておいてそれだけかよ」  宰相は忌々しそうに俺を一瞥すると(きびす)を返した。 「世話人を手配しろ。調教官のアイツでいい」 「承知しました!」  調教官と聞いてギクリとした。まさかな。  *  *  そうしてやってきた男は精悍な顔をしていた。元の世界にいたら女がほっておかないだろう。ジムで鍛えていた自分の身体が貧相に見えるほど筋骨隆々とした肉体を持つその男は、俺を一瞥するとつまらなそうに鼻を鳴らした。 「浄化もかけてないのか。洗いに行くぞ」  男はそう言うと俺を荷物のように担ぎ上げた。 「おっ、おいっ!」 「しゃべるな。舌噛むぞ」  確かに荷物のようにかつがれているせいでひどく揺れる。男は危なげない足取りで階段を上り、ある扉の前で足を止めた。 「開けろ」  扉が内側から開く。 「洗浄ですか?」 「いや、ただ洗うだけだ。俺がやる」 「承知しました」  どうやらそこは浴室らしかった。勤めているらしい者と男が言葉を交わす。洗浄と洗う、とはどう違うのか俺は疑問に思った。 「脱げ。洗ってやる」 「……え」  降ろされ、鋭い目を向けられながら言われた言葉の意味が一瞬わからなかった。男は固まった俺に舌打ちすると、破くような勢いで俺から服を剥ぎ取った。下着も奪い取られた俺は思わず股間を両手で覆った。男が鼻で笑う。本当に情けなくてたまらなかったが、この小さい俺自身を見られるわけにはいかなかった。 「お、俺、自分で洗うから……」 「だめだ」  腰を抱かれて洗い場へ運ばれる。 「手をどけろ」 「い、いやだ!」 「言うことを聞かないならもぐぞ」 「ひっ……」  ただでさえ小さい自身が更に縮こまった気がした。しぶしぶ手をどけると、男は面白そうな顔をした。  マットのような場所へ俺を転がし、湯を何度もかけてくれる。そして海綿のようなもので石鹸を泡立てると耳の後ろから丁寧に洗い始めた。男の手は無骨なのに俺を洗う動きはひどく優しい。男は無言で首から背中、腕と足を洗うと、俺自身を握った。 「っっっ!?」 「随分小さいな。ちゃんと使ってるのか?」  そう言いながら自身をやわやわと揉んでいる。そういえばこの世界は男しかいないんだった。外させようと腕を掴むがびくともしない。男に触られているのに俺自身は気持ちよさを感じていて、みるみるうちに立ってしまった。 「ううっ……使えるわけ、ないだろ……」 「何故? 娼館なら喜ばれるぞ」 「俺の世界じゃ違うんだよ! 悪かったな、童貞で!!」  俺はヤケになって叫んだ。すると男は俺をしっかりイカせようという手つきで俺自身をしごきはじめた。 「うあっ!? な、なんで……」 「歳はいくつだ? もしかして30は越えていまいな?」 「ああっ? う、うるせーよ……30越えてるに決まってんだろっ!! うううっ!!」  男の手コキでイッてしまった俺は脱力して顔を両腕で覆った。なんでこんなところでそんなことを暴露しなくてはいけないのかわからなかった。 「……異世界人は天使が多いのか? もったいないな。うちの村にもらうか……」  男はぶつぶつと何やら呟くと、何故か俺を持ち上げ、あぐらをかいている足の間に後ろ向きで座らせた。 「?」 「天使さまは丁重に扱わないとな」 「ああっ!?」  そう言って男は俺の尻を両手で開いたかと思うと、その太い指を尻穴にずぶっと突き入れた。

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